Q&Aコーナー 気になる論点(399) IASBの第4次アジェンダ協議-2027年に延期-

早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一

 2025年9月開催の国際会計基準審議会(IASB)ボード会議では、第4次アジェンダ協議に関して、2025年10月に情報要請(RFI)を公表するという計画を延期することとしました。これは、なぜでしょうか。

 延期することとした理由は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が2026年末にアジェンダ協議(agenda consultation)プロセスを開始し、2027年にISSBのアジェンダに関する情報要請を公表することとしたため、それに合わせてIASBも2027年に同時に情報要請を行うとしたことによります。

〈解説〉

アジェンダ協議(1)-定款及びデュー・プロセス・ハンドブック

IFRS財団の定款(Constitutions)において、IASBとISSBは、公開協議(public consultation)を直近の公開アジェンダ協議の日から5年ごとに行うこととしています(37条(d)(ii)、58条(d)(ii))。

当初、IASBは、IFRS財団の評議員会やIFRS諮問会議との間での協議のみによってアジェンダを選定していましたが、2010年1月の定款改正において、ガバナンス強化の一環...