<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第146回 リース(25)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
ポーカー・フェイス
ポーカーをする人は自分の手元にあるカードがどんなに悪くても、あるいはどんなに良くてもそれを表情に露わすことはない。ポーカーの面白さは、相手の手札がわからないところにある。プレーヤーは、相手の手札を想像しながら、自分の手札と相手の手札を自分の頭の中の想像の世界で比べてみて、勝てると思えば賭け金を増して、負けると思えば、さっさと降りてしまい損失額を最小限に抑えなければならない。
ポーカー・ゲームのイカサマとは、相手の手札の中身を何らかの方法で知ることである。一番古典的なイカサマは、card signaling というもので、railbirdsと呼ばれるゲーム観戦者と協力して、相手の手札を読んでもらい、それを合図してもらうというものである。ちなみにゲーム観戦者のことをrailbirdsと呼ぶのは、ポーカーテーブルから一定の距離を保つようにレールがあり、そこに小鳥のように張り付く観戦者たちのことを表現した言葉らしい。現代では監視カメラなどによって、このようなイカサマは不可能となっているようだ。
こちらの手札を相手に知られないようにするということはビジネスの世界においても、基本中の...
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