<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第162回 失われた40年(14)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
日本家屋の応接間
昔の日本家屋には応接間という部屋があった。引き戸の玄関をガラガラと開けると、上がり框(かまち)を隔てて2畳か3畳ほどの小さな取次の間がある。そこには小さな電話台やコート掛けがある。立ち話で済むような来客の場合、客人は玄関の土間に立ち、家の人が取次の間で対応する。もし客人が家に通される場合は、土間で靴を脱ぎ、取次の間でコートを脱ぎ、帽子をかけ、応接間に通される。応接間は多くの家屋ではなぜか右側が多かったような気がする。他の部屋は全て畳張りの和室であるのに、応接間だけは板張りで、いわゆる応接セットと呼ばれるソファとテーブルがあり、レースのテーブルセンターの上に大きなガラスの灰皿が置いてある。応接間は洋間である。
客人がさらに長居をして、食事などをするとなると、応接間を出て、縁側を歩き座敷に通される。縁側からは庭が見える。庭には石の灯籠が置いてある。座敷には座卓と座布団が敷かれていて、肘掛けなどもある。
座敷の奥には茶の間があって、その奥に台所がある。座敷にいるとご家族の会話や食器の音などがかすかに聞こえてくる。少し仲間に入れてもらったような心持ちがする。
和洋折衷という言葉がある...
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