ニデックの会計不正と会計監査人の考察 <前編>
公認会計士・公認不正検査士 安福 健也
はじめに
モーター事業大手のニデックは、「中国孫会社において取引先から受領した一時金について、不適切な会計処理が行われた疑いがある」旨の報告を踏まえ、監査等委員会の監督下で調査を実施した。その過程で、グループの複数拠点において資産性に疑義のある資産が滞留しており、ニデック経営陣がその処理時期を恣意的に検討しているとも解釈できる資料等が発見された。そこで、2025年9月の取締役会決議により会社から独立した第三者委員会が設置され、以下の調査報告書が公表されている。
・2026年3月3日公表、「第三者委員会の調査報告書の公表及び当社の対応に関するお知らせ」(以下、「暫定報告書」という)
・2026年4月17日公表、「第三者委員会の調査報告書(最終報告)の受領および当社の対応に関するお知らせ」(以下、「最終報告書」という)
創業者永守氏は、2025年12月に代表取締役を辞任、名誉会長(非常勤)に就任したが、2026年2月に名誉会長も辞任している(以下、永守氏を「元代表」という)。
本稿では、上記の「第三者委員会調査報告書」をもとに、本稿(前編)では、ニデックグループにおいて発生した数多くの会計不正の内容...
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