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所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額である(法32①、313①)。
この場合の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の計算方法は、地方税法及び同施行令で特別の定めをする場合を除くほか、所得税法その他の所得税に関する法令の規定の例によって行われる。したがって、収入金額の計算、必要経費の計算、損益通算等については、原則として所得税の例によるものである(法32②、313②)。
ただし、所得税法第60条の2から第60条の4までの規定(国外転出をする場合の所得税の譲渡所得等の特例)については、適用しないで計算する。
なお、所得税の計算と異なる主なものは、次のとおりである。
区分 | 所得税 | 住民税 | ||||
利子所得 | 普通預金、通知預金の利子等要求払預金の利子、定期預金及び公社債の利子、合同運用信託及び公社債投資信託の収益の分配等 | 一律分離課税 (15【15.315】%の源泉徴収) | 一律分離課税 (5%の特別徴収) | |||
配当所得 | 公募株式投資信託の収益の分配等 | 総合課税若しくは申告分離課税又は申告不要 (15【15.315】%の源泉徴収) | 総合課税若しくは申告分離課税又は申告不要 (5%の特別徴収) | |||
剰余金の配当・剰余金の分配 | 上場株式等の配当 (大口以外)等(注1) | |||||
上記以外 | 総合課税 (20【20.42】%の源泉徴収) | 総合課税 | ||||
1回の支払配当の金額が(10万円×配当計算期間/12月)以下のもの | 申告不要 (20【20.42】%の源泉徴収) | |||||
非課税制度 | 障害者等の少額貯蓄非課税制度 (限度額350万円) 障害者等の少額公債非課税制度 (限度額350万円) 財形住宅(年金)貯蓄非課税制度 (限度額550万円) | 非課税 | 非課税 |
(注1) 「上場株式等の配当(大口以外)」とは、その株式等の保有割合が発行済株式総数の3%未満である者が支払を受ける配当をいう。
(注2) 平成28年1月1日以後支払を受ける公社債の利子、合同運用信託及び公社債投資信託の収益の分配等のうち特定公社債等の利子等に該当するものについては、申告分離課税(所得税15%、住民税5%)又は総合課税又は申告不要とすることとされた。「特定公社債等」については、
(注3) 上表中の【 】内の計数は、復興特別所得税を含めた計数。
備考
個人住民税は前年所得課税であり、令和3年度分住民税は令和2年分の所得を基礎に算定される。
退職所得の課税の特例が適用されて、すでに前年中において分離課税された退職所得は総所得金額から除外される。
所得税における非課税所得は個人住民税でも非課税となる。
所得税における青色申告の特典は、個人住民税でも所得金額の計算上、そのまま適用される。