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退職所得に対する所得税の課税は、所得の性質から他の所得とは分離して行う建前となっているが、給与所得と同じく、居住者に対して国内において退職手当等の支払をする者は、その支払の際、その退職手当等について所得税を徴収しなければならないこととなっており、徴収税額は、原則として退職手当等の収入金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を控除した残額の2分の1(注)に相当する金額を課税退職所得金額とみなして法第89条第1項の税率(
(注) 特定役員退職手当等にあっては、この2分の1課税の適用はない。なお、「特定役員退職手当等」とは、①法人税法第2条第15号に規定する役員、②国会議員及び地方議会議員、③国家公務員及び地方公務員で、勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等をいう(法30⑤)。
また、令和4年1月1日以後に支払を受けるものにあっては、短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分についても、この2分の1課税の適用はない。なお、「短期退職手当等」とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払者の下での勤続年数が5年以下である者がその支払者からその勤続年数に対応するものとして支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないものをいう(法30④)。
備考
平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に支払われる退職手当等については、所得税と併せて、復興特別所得税(所得税の2.1%)を徴収し、納付しなければならない(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法28、詳細は「復興特別所得税」の項(
社会保険制度に基づき支給される退職一時金又は確定給付企業年金に係る規約若しくは適格退職年金契約に基づき支給される退職一時金などは退職手当等とみなされる(法31)。