税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

配当控除

 居住者が内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配又は証券投資信託の収益の分配に係る配当所得を有するときは、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額をその者の算出税額から控除する。この税額控除を配当控除という(法92措法9)。

  • (1) 課税総所得金額、上場株式等に係る課税配当所得の金額、土地等に係る課税事業所得等の金額、課税長期譲渡所得金額、課税短期譲渡所得金額、一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額、上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額及び先物取引に係る課税雑所得等の金額の合計額(以下この項で「課税総所得金額等」という。)が1,000万円以下である場合……次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
    • ① 剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配及び金銭の分配(この項で「剰余金の配当等」という。)に係る配当所得
        その配当所得の金額に10%を乗じて計算した金額
    • ② 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
        その配当所得の金額に5%を乗じて計算した金額
  • (2) 課税総所得金額等が1,000万円を超え、かつ、その課税総所得金額等から証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額が1,000万円以下である場合……次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
    • ① 剰余金の配当等に係る配当所得
        その配当所得の金額に10%を乗じて計算した金額
    • ② 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
        その配当所得の金額のうち、その課税総所得金額等の金額から1,000万円を控除した金額に相当する金額については2.5%を、その他の金額については5%をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額
  • (3) 上記(1)及び(2)に掲げる場合以外の場合……次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
    • ① 剰余金の配当等に係る配当所得
        その配当所得の金額のうち、その課税総所得金額等の金額から1,000万円と次の②に掲げる配当所得の金額との合計額を控除した金額に達するまでの金額については5%を、その他の金額については10%をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額
    • ② 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
        その配当所得の金額に2.5%を乗じて計算した金額

(注) 次の配当所得は、配当控除の対象とならない。

  • (1) 基金利息に係る配当所得並びに外国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配及び証券投資信託の収益の分配(外国法人の国内による営業所、事務所その他これらに準ずるものに信託された証券投資信託の収益の分配に係るものを除く。)に係る配当所得(法92①)
  • (2) 私募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る配当等、国外私募公社債等運用投資信託の配当等、外国株価指数連動型特定株式投資信託の収益の分配に係る配当等、外貨建証券投資信託のうち一定のものの収益の分配に係る配当等、投資信託法に規定する投資信託のうち法人課税信託に該当するもので一定のもの又は特定目的信託から支払を受けるべき配当等、特定目的会社から支払を受けるべき配当等及び投資法人から支払を受けるべき配当等に係る配当所得(措法9①)
  • (3) 申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得(措法8の4

備考

配当控除の金額の合計額がその年分の所得税額を超えるときは、その控除額は、所得税額を限度とする(法92②)。

配当控除は課税総所得金額に係る所得税額、上場株式等に係る課税配当所得の金額に係る所得税額、土地等に係る課税事業所得等の金額に係る所得税額、課税短期譲渡所得金額に係る所得税額、課税長期譲渡所得金額に係る所得税額、一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額に係る所得税額、上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額に係る所得税額、先物取引に係る課税雑所得等の金額に係る所得税額、課税山林所得金額に係る所得税額、課税退職所得金額に係る所得税額の順に控除する(法92②、措法8の4③四、28の4⑤三、31③四、32④、37の10⑥六、37の11⑥、41の14②五)。

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