1 除却費及び取壊費
(一般原則)
使用に耐えなくなった減価償却資産を取り壊した場合には、次の算式により計算した金額をその取壊しの日の属する事業年度の損金に額に算入する。
{〔固定資産の除却又は取壊し直前の帳簿価額〕-〔除却又は取り壊した固定資産の廃材等の除却又は取壊し日現在における価額〕}+〔固定資産の除却等に要した費用の額〕=損金算入額
備考
まだ使用に耐える建物、構築物等を取り壊した場合も左と同様に取り扱われる(基通7-7-1)。ただし、土地を利用するため建物のある土地を取得し、その建物を取り壊す場合はこの限りでない(基通7-3-6)。
2 有姿除却
次に掲げるような固定資産については、たとえ解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、その資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができるものとする(基通7-7-2)。
3 ソフトウエアの除却
ソフトウエアにつき物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、次に掲げるようにそのソフトウエアを今後事業の用に供しないことが明らかな事実があるときは、そのソフトウエアの帳簿価額(処分見込価額がある場合には、これを控除した残額)をその事実が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入することができる(基通7-7-2の2)。
4 総合償却資産の除却等の場合
総合償却資産の一部について除却等(除却、廃棄、滅失又は譲渡をいう。)があった場合におけるその除却等による損益の計算の基礎となる帳簿価額は、その除却等に係る個々の資産が含まれていた総合償却資産の総合耐用年数を基礎として計算される除却等の時における未償却残額に相当する金額による(基通7-7-3)。
総合償却資産の一部について除却等があった場合において、その除却等をした個々の資産の帳簿価額を次のいずれかの方法で継続して計算している場合には、その計算が認められる(基通7-7-4、7-7-5)。
備考
左の場合の個別耐用年数とは、その総合償却資産の法定耐用年数の算定の基礎となった各資産の耐用年数をいう。
規模の拡張若しくは増強のため又は災害復旧のための取替えは、左の6の取替えに該当しない(基通7-6-8)。
5 種類等を同じくする資産の除却価額
減価償却資産の種類、構造若しくは用途、細目又は耐用年数が同一であるため規則第19条第1項の規定により一の償却計算単位として償却限度額を計算している二以上の資産について、その一部の資産の除却等があった場合におけるその除却等による損益の基礎となる帳簿価額は、次のいずれかによる(基通7-7-6)。
備考
個別償却資産については、その償却額を個々の資産に合理的に配賦すべきものであるが、工具、器具及び備品のようにその配賦が困難なものについては左記5の適用がある(基通7-7-6(注))。
6 取替資産の撤去資産の帳簿価額
取替資産が使用に耐えなくなったため取り替えられた場合には、その取替えによる撤去資産については帳簿価額を付けないことができる。この場合において、例えば、取り替えられた軌条をこ線橋、乗降場及び積卸場の上屋等の材料として使用したときのように新たに資産価値を認められる用に供したときは、当該撤去資産のその用に供した時の時価を新たな資産の取得価額に算入するのであるが、法人が備忘価額として1円を下らない金額を当該新たな資産の取得価額に算入しているときは、これを認める(基通7-6-10)。