税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

請負による損益の計上時期

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引渡基準原則

 請負による収益については、別に定めるものを除き、その引渡し等の日が役務の提供の日に該当し、その収益の額は、原則その引渡し等の日を含む事業年度の益金に算入する(基通2-1-21の7)。

備考

前渡金保証会社に支払う保証料の額は、工事原価に算入しないことができる(基通2-2-5(注))。

建設工事等の引渡しの日の判定

 請負契約の内容が建設、造船その他これらに類する工事(以下「建設工事等」という。)を行うことを目的とするものであるときは、その建設工事等の引渡しの日がいつであるかについては、例えば作業を結了した日、相手方の受入場所へ搬入した日、相手方が検収を完了した日、相手方において使用収益ができることとなった日等その建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする(基通2-1-21の8)。

請負収益に対応する原価

 請負収益に対応する原価には、その請負の目的となった物の完成又は役務の履行のために要した材料費、労務費、外注費及び経費の合計額のほか、その受注又は引渡しをするために直接要した全ての費用が含まれる(基通2-2-5)。

建設請負の工事原価の計算

 請負工事における工事原価の計算については、次のように取り扱われる。

  • (1) 各工事に共用する固定資産(船舶、車両、運搬具、移動性を有する機械、工具、器具、備品)の減価償却費及び維持管理費用(固定資産税、自動車税等の租税公課、修繕費その他維持管理に要する費用等)は、それぞれの工事原価に適正に配賦する。
  • (2) 仮設材料の取得価額を未成工事支出金勘定の金額に含めている場合において、建設工事等が完了したとき又は他の建設工事等の用に供するためこれらの資材を転送したときは、未成工事支出金勘定の金額から控除すべき仮設材料の額につき次に掲げる金額のいずれかによっているときは、その計算が継続している限り、それが認められる(基通2-2-6)。
    •  ① 仮設材料の取得価額から損耗等による減価の見積額を控除した金額
    •  ② 仮設材料の損耗等による減価の見積りが困難な場合には、工事の完了又は転送の時におけるその仮設材料の価額に相当する金額
    •  ③ その仮設材料の再取得価額に適正に見積もった残存率を乗じて計算した金額
  • (3) 木造の現場事務所、労務者用宿舎、倉庫等の仮設建物の取得価額をその建設工事等に係る未成工事支出金勘定の金額に含めている場合には、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次の金額を未成工事支出金勘定の金額から控除する。この場合、その控除すべき金額を雑収入等として経理することもできる(基通2-2-7)。
    • ① 引渡しの日以前にその仮設建物を他に譲渡し、又は他の用途に転用した場合には、その譲渡価額に相当する金額又はその転用の時における価額に相当する金額
    • ② 引き渡された際にその仮設建物が存する場合には、その引渡しの時における価額に相当する金額(仮設建物が取り壊されるものである場合には、その取壊しによる発生資材の価額として見積もられる金額)
  • (4) 金属造りの移動性仮設建物については、その償却費を工事原価に算入するが、この場合におけるその建物の償却計算の基礎となる取得価額は、建物の構成部分のうちその移設に伴い反復して組み立て使用されるもののために要した費用の額によることができる(基通2-2-8)。

備考

仮設材料とは、建設工事用の足場、型わく、山留用材、ロープ、シート、危険防止用金網等をいう。

左の取扱いは、その転送した仮設材料のすべてについて適用することが条件とされている(基通2-2-6(注))。

仮設建物の組立て、撤去費用及び電気配線等の附属設備で他に転用することができないと認められるものの費用は、その建物を利用して行う工事の工事原価に算入する(基通2-2-8(注))。

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