税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

資産の譲渡益等の課税の特例

この解説は最終更新日から1年以上経過しており、現行法令に準拠していない可能性があります。

税務研究会お試し

 固定資産を譲渡等した場合に生じた譲渡益は、所得金額の計算上益金に算入される。しかし、その譲渡が一定の要件に該当している等特別の事情がある場合にはその譲渡益について課税することは適当でないので、次のような課税の特例を認めている。

  • (1) 圧縮記帳による課税の特例
  • (2) 譲渡益のうち一定金額の特別控除(損金算入の制度)

1 一般的な圧縮記帳の課税特例

 一般的な圧縮記帳による課税の特例が認められるのは、おおむね、次のような場合である。

  • (1) 固定資産の取得に当たり、国、地方公共団体から、補助金等を受ける場合(法4244
  • (2) 電気事業、ガス事業、水道事業、鉄道事業等を行う法人が事業に必要な施設を設けるに当たり受益者から工事負担金を取得する場合(法45
  • (3) 非出資組合たる協同組合等が組合員に賦課した納付金でもって固定資産を取得する場合(法46
  • (4) 固定資産が災害等により被害を受け、保険金を取得する場合(法4749
  • (5) 土地、建物等について同種、同用途の資産と交換する場合(法50

備考

清算中の法人については、原則として特例の適用はない(法4250)。

詳細は、410頁参照。

詳細は、411頁参照。

詳細は、412頁参照。

詳細は、412頁参照。

詳細は、414頁参照。

2 土地譲渡の場合の圧縮記帳又は特別控除

 土地譲渡の場合の圧縮記帳又は特別控除が認められるのは、おおむね、次のような場合である。

  • (1) 収用換地等の場合の所得の特別控除(措法65の2
      公共事業の施行者からの買取り申出後6月以内に譲渡すること等を条件として5,000万円の特別控除が認められる。
  • (2) 収用等に伴い代替資産を取得した場合(措法64
      補償金等をもって、収用等のあった事業年度において同種若しくは同効用の資産を取得したときは、(1)の特別控除か圧縮記帳が認められる。
  • (3) 収用等に伴い代替資産を取得する見込みの場合(措法64の2
      補償金等をもって、収用等のあった日から原則として2年以内に代替資産を取得する見込みであるときは、特別勘定による経理をすることができる。
  • (4) 特定の土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合には、2,000万円の特別控除が認められる(措法65の3)。
  • (5) 特定の住宅地造成事業のために土地を譲渡した場合には、1,500万円の特別控除が認められる(措法65の4)。
  • (6) 農地所有適格法人が農地保有合理化のため農地等を譲渡した場合には、800万円の特別控除が認められる(措法65の5)。
  • (7) 法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地等を譲渡した場合(所有期間5年超のものに限る。)には、1,000万円の特別控除が認められる(措法65の5の2)。

備考

特別控除額は、年間(暦年)合計5,000万円を限度として認められる(措法65の6)。

詳細は、428頁参照。

詳細は、416頁参照。

換地については、420頁参照。

詳細は、420頁参照。

詳細は、430頁参照。

詳細は、430頁参照。

詳細は、430頁参照。

〔特定の資産の買換え、交換の場合〕

  • (8) 令和5年3月31日までに、法人が特定の土地等を譲渡し、一定の要件に該当する土地等を取得して事業の用に供する場合には、次の特例がある。
    • ① 買い換えた場合(措法65の7
        同一事業年度に買い換え、かつ、取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供し、又は供する見込みであるときは、圧縮記帳が認められる。
    • ② 買い換える見込みである場合(措法65の8
        原則として、翌事業年度中に買い換え、かつ、その取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供する見込みであるときは、特別勘定を設ける方法により経理をすることができる。
  • (9) 特定普通財産とその隣接する土地等の交換が行われた場合において、その交換により取得した土地等について圧縮記帳が認められる(措法66)。

備考

なお、この特定の資産の買換えの特例は、当該法人の事業の用に供する船舶(船舶法第1条に規定する日本船舶に限る。)と船舶との買換え、又は交換についても適用される。

詳細は、421頁参照。

詳細は、424頁参照。

特定の資産の交換については、425頁参照。

3 その他の圧縮記帳の課税の特例

  • (1) 農業経営基盤強化準備金を有する法人が、農用地等又は特定農業用機械等を取得した場合(措法61の3
  • (2) 法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得し、その取得後10年以内に、所有する他の土地等を譲渡した場合(措法66の2
  • (3) 技術研究組合が技術研究組合法の規定により費用を賦課し、その賦課金で試験研究用資産を取得する場合(措法66の10
  • (4) 転廃業助成金等を受けた場合(措法67の4

備考

左記(1)~(4)の詳細は、426頁以降参照。

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