税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

特別償却の一覧

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〈種類〉

1 中小企業者等の機械等の特別償却〔措法42の6措法10の3)、措令27の6措規20の3

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)又は農業協同組合等若しくは商店街振興組合に該当する法人(中小企業者等)が平成10年6月1日から令和5年3月31日までの間に、特定機械装置等でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作を含む。)し、製造業、建設業等の一定の事業(指定事業)の用に供した場合には、特定機械装置等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の6①)。
  • (2) この特例の適用対象となる中小企業者等の範囲及び指定事業等の範囲については、「法人税額の特別控除の一覧」 の「2 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」(708頁)を参照。
  • (3) この特別償却は、資本金3,000万円以下の中小企業者等に限り、税額控除との選択になっている(措法42の6②、措令27の6⑦)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる特定機械装置等の範囲は、「法人税額の特別控除の一覧」の「2 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので709頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定機械装置等の基準取得価額の30%相当額である(措法42の6①)。

 なお、内航船舶の基準取得価額は、実際の取得価額の75%相当額とされる(措令27の6⑥)。

〈種類〉

2 国家戦略特別区域における機械等の特別償却〔措法42の10措令27の10措規20の5

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で国家戦略特別区域法の一定の特定事業の実施主体として同法の認定区域計画に定められたもの(実施法人)が、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に、国家戦略特別区域内において、その実施法人の事業実施計画に記載された特定機械装置等でその製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作又は建設を含む。)し、特定事業の用に供した場合(継続的に実施されることが確保される特定事業として一定のものの用に供する建物及びその附属設備以外のものを貸付けの用に供した場合を除く。)には、その特定機械装置等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の10①)。
  • (2) この特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の10②)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる特定機械装置等の範囲は、「法人税額の特別控除の一覧」の「4 国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので、715頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める金額である。

  • (1) 機械及び装置並びに器具及び備品(措法42の10①、措令27の10②) その取得価額の50%相当額(平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得等をしたもの(平成31年3月31日以前に確認を受けた事業実施計画に同日において記載されているものを除く。(2)において同じ。)にあっては、45%相当額)
  • (2) 建物及びその附属設備並びに構築物 その取得価額の25%相当額(平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得等をしたものにあっては、23%相当額)

〈種類〉

3 国際戦略総合特別区域における機械等の特別償却〔措法42の11措令27の11措規20の6

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で指定法人に該当する法人が、総合特別区域法(平成23年法律第81号)の施行の日(平成23年8月1日)から令和4年3月31日までの期間内に、国際戦略総合特別区域内において、指定法人事業実施計画に記載された特定機械装置等でその製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作又は建設を含む。)し、一定の特定国際戦略事業の用(貸付けの用の場合を除く。)に供した場合は、特定機械装置等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の11①)。
  • (2) この特例の対象となる指定法人の範囲については、「法人税額の特別控除の一覧」の「5 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」(716頁)を参照。
  • (3) この特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の11②)。

〈対象設備の範囲〉

 この特例の対象となる特定機械装置等の範囲は、「法人税額の特別控除の一覧」の「5 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので717頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定機械装置等の取得価額の40%(建物及びその附属設備並びに構築物については、20%)相当額である(措法42の11①)。

 ただし、平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得等をした特定機械装置等(平成31年3月31日以前に受けた指定に係る指定法人事業実施計画に同一において記載されているものを除く。)については、34%(建物及びその附属設備並びに構築物については、17%)相当額となる。

〈種類〉

4 地域経済牽《けん》引事業の促進区域内における特定事業用機械等の特別償却〔措法42の11の2措法10の4)、措令27の11の2

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で承認地域経済牽引事業者であるものが、企業立地の促進等による地城における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成29年7月31日)から令和5年3月31日までの期間(指定期間)内に促進区域内において、承認地域経済牽引事業計画に従って特定地域経済牽引事業施設等を新設又は増設した場合において、その特定地城経済牽引事業施設等を構成する機械装置等(特定事業用機械等)でその製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作又は建設を含む。)し、承認地域経済牽引事業の用に供したとき(貸付けの用に供したときを除く。)は、特定事業用機械等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の11の2①)。
  • (2) この特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の11の2②)。

〈対象設備の範囲〉

 この特例の対象となる特定事業用機械等の範囲は、「法人税額の特別控除の一覧」の「6 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので717頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定事業用機械等のうち、機械装置及び器具備品については取得価額の40%相当額(平成31年4月1日以後に承認地域経済牽引事業の当初承認を受けた法人が、一定の地域の成長発展の基盤強化に著しく資する承認地域経済牽引事業の用に供したものについては、取得価額の50%)、建物等及び構築物については取得価額の20%相当額である(措法42の11の2①)。

〈種類〉

5 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却〔措法42の11の3措法10の4の2)、措令27の11の3措規20の7

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で地域再生法の一部を改正する法律の施行の日(平成27年8月10日)から令和4年3月31日までの期間(指定期間)内に地域再生法の地方活力向上地域特定業務施設整備計画について認定を受けたものが、その認定を受けた日から同日の翌日以後2年を経過する日まで(認定を取り消されたときは、その取り消された日の前日まで)の間に、その認定をした認定都道府県知事が作成した認定地城再生計画に記載されている同法の地方活力向上地域内において、その認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に記載された同法の特定業務施設に該当する建物及びその附属設備並びに構築物(一定の規模のものに限る。以下「特定建物等」という。)でその建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又はその認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に記載された特定建物等を建設して、これをその法人の営む事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合を除く。)には、特定建物等の普通償却限度額に、その取得価額の一定の割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の11の3①)。
  • (2) この特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の11の3②)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる特定建物等の範囲は「法人税額の特別控除の一覧」の「7 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので719頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

特別償却限度額は、その特定建物等の取得価額の15%(認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が地域再生法第17条の2第1項第1号に掲げる事業に関するものである場合には、25%)相当額である(措法42の11の3①)。

〈種類〉

6 中小企業者等の特定経営力向上設備等の特別償却〔措法42の12の4措法10の5の3)、措令27の12の4措規20の9

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)又は農業協同組合等若しくは商店街振興組合で中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間(指定期間)内に、生産等設備を構成する機械装置等で、同法の経営力向上設備等に該当するもののうち、一定の規模以上のもの(特定経営力向上設備等)を取得(製作又は建設を含む。)し、指定事業の用に供した場合は、特定経営力向上設備等の普通償却限度額に、その取得価額から普通償却限度額を控除した残額を加算する特別償却制度が認められている(措法42の12の4①)
  • (2) この特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の12の4②)

〈対象設備の範囲〉

 この特例の対象となる特定経営力向上設備等の範囲は、「法人税額の特別控除の一覧」の「10 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので721頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定経営力向上設備等の取得価額から普通償却限度額を控除した残額である(措法42の12の4①)。

〈種類〉

7 認定特定高度情報通信技術活用設備の特別償却〔措法42の12の6措法10の5の5)、措令27の12の6

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律の認定導入事業者であるものが、同法の施行の日(令和2年4月1日)から令和4年3月31日までの期間(指定期間)内に、認定特定高度情報通信技術活用設備を取得又は製作若しくは建設する場合において、これをその法人の事業の用に供したとき(貸付けの用に供した場合を除く。)は、認定特定高度情報通信技術活用設備の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の12の5の2①)。
  • (2) この特別償却は、税額控除との選択となっている(措法42の12の5の2②)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる認定特定高度情報通信技術活用設備の範囲は「法人税額の特別控除の一覧」の「12 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除」と同様であるので727頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、認定特定高度情報通信技術活用設備の取得価額の30%相当額である(措法42の12の6①)。

〈種類〉

8 事業適応設備の特別償却〔措法42の12の7措法10の5の6)、措令27の12の7

  適用期限

  • ・情報技術適応設備
    令和5.3.31
  • ・生産工程効率化等設備等
    令和6.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日から令和5年3月31日までの期間(指定の期間)内に、情報技術事業適応設備でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作を含む。)し、これを国内にあるその法人の事業の用に供したとき(貸し付けの用に供した場合を除く。)は、情報技術事業適応設備の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の12の7①)。
  • (2) 青色申告法人で設定事業適応事業者であるものが、指定期間内に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウェアのその利用に係る費用を支出した場合には、事業適応繰延資産の普通償却限度額に、その事業適応繰延資産の額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の12の7②)。
  • (3) 青色申告法人で認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者であるものが、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日から令和6年3月31日までの間に、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された生産工程効率化等設備等でその製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作又は建設を含む。)し、これを国内にあるその法人の事業の用に供したとき(貸付けの用に供した場合を除く。)は、生産工程効率化等設備等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法42の12の7③)。
  • (4) これらの特別償却は、税額控除との選択になっている(措法42の12の7④~⑥)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる情報技術事業適応設備、事業適応繰延資産及び生産工程効率化等設備等の範囲について、「法人税額の特別控除の一覧」の「● 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除」と同様であるので、727頁を参照のこと。

〈特別償却限度額等〉

 (1)の特別償却限度額は、情報技術事業適応設備の取得価額の30%相当額である(措法42の12の7①)。

 (2)の特別償却限度額は、事業適応繰延資産の取得価額の30%相当額である(措法42の12の7②)。

 (3)の特別償却限度額は、生産工程効率化等設備等の取得価額の50%相当額である(措法42の12の7③)。

〈種類〉

9 特定船舶の特別償却〔措法43措法11)、措令28

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人で特定海上運送業を営むものが、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に、特定船舶でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得(製作を含む。)し、特定海上運送業の用に供したとき(一定の法人が貸付けの用に供した場合を除く。)は、特定船舶の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法43①)。
  • (2) この特別償却は、確定申告書等に特定船舶の償却限度額の計算明細書の添付が必要である(措法43②)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる特定船舶とは、鋼船のうち海洋運輸業の用に供されるもの(国際総トン数が10,000トン以上のものに限る。)又は沿海運輸業の用に供されるもの(匿名組合契約又は外国におけるこれに類する契約の目的である船船貸渡業の用に供されるもので、貸付を受けた者の沿海運輸業の用に供されるものを除く。)をいう。

(注) 上記の「海洋運輸業」とは、本邦と外国との間又は外国と外国との間において船舶により人又は物の運送をする事業をいい、「沿海運輸業」とは、本邦の各港間において船舶により人又は物を運送をする事業をいい、「船舶貸渡業」とは海上運送法2⑦に規定する船舶貸渡業をいう(措令28①)。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定船舶の取得価額に次の区分に応じた次の割合を乗じた金額である(措法43①)。

  • ① 特定先進船舶に該当する外航船舶
    • イ.日本船舶20%
    • ロ.日本船舶以外のもの18%
  • ② 特定先進船舶以外の外交船舶
    • イ.日本船舶17%
    • ロ.日本船舶以外のもの15%
  • ③ 内航船舶
    • イ.環境負荷低減に著しく資するもの18%
    • ロ.上記以外のもの16%

〈種類〉

10 港湾隣接地域における技術基準適合施設の特別償却〔措法43の2措令28の2措規20の11

  適用期限 港湾隣接地域内において有する護岸、岸壁及び桟橋につき特定点検結果報告を行った日以後3年を経過する日(報告期限:令和2年3月31日)

〈対象法人等〉

 青色申告法人で港湾隣接地域内において有する一定の特定技術基準対象施設につき平成30年4月1日から令和2年3月31日までの間に港湾法の規定による技術基準のうち地震に対する安全性に係るものに適合するかどうかの点検の結果についての報告を行ったものが、その報告を行った日から同日以後3年を経過する日までの間に、その特定技術基準対象施設の部分について行う技術基準に適合するための工事の施行に伴い取得(建設を含む。)するその特定技術基準対象施設の部分(技術基準適合施設)について、これをその法人の事業の用に供した場合においては、その技術基準適合施設の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法43の2①)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる特定技術基準対象施設とは、港湾法第56条の2の21第1項に規定する特定技術基準対象施設のうち、護岸、岸壁及び桟橋をいう(措法43の2①、措令28の2)。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、施設の区分に応じ、その施設の取得価額に次の割合を乗じた金額である。

区分割合
① 技術基準適合施設のうち、港湾隣接地域(緊急確保航路に隣接する港湾区域に隣接する地域に限る。)内において取得等をしたもの22%
② ①以外の技術基準適合施設18%

〈種類〉

11 被災代替資産等の特別償却〔措法43の3措法11の2)、措令28の3

〈対象法人等〉

 法人が、特定非常災害が発生した日から5年を経過する日までの期間(指定期間)内に、特定非常災害に基因して事業の用に供することができなくなった建物(その附属設備を含む。)、構築物若しくは機械装置の代替資産の取得等をしてその事業の用に供した場合又は建物、構築物若しくは機械装置の取得等をして被災区域及びその被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地の区域内においてその事業の用に供した場合には、これらの減価償却資産(被災代替資産等)の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を乗じて計算した金額を加算する特別償却が認められている(措法43の3①)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる被災代替資産等とは、次のものをいう(措法43の3①、措令28の3)。

(1) 次の代替資産

被災代替建物 特定非常災害に基因して事業の用に供することができなくなった建物(附属設備を含む。)(被災建物)と同一の用途に供される建物(被災建物の床面積の1.5倍を超える場合には、1.5倍に相当する部分に限る。)
被災代替構築物 特定非常災害に基因して事業の用に供することができなくなった構築物(被災構築物)と同一の用途に供される構築物(被災構築物と概ね同程度以下のものに限る。)
被災代替機械装置 特定非常災害に基因して事業の用に供することができなくなった機械装置(被災機械装置)と同一の用途に供される機械装置(被災機械装置に比して著しく高額又は高性能なもの等を除く。)

(2) 被災区域及びその被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地の区域内において事業の用に供される建物、構築物及び機械装置

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、被災代替資産等の取得価額に、次の区分ごとに、次の割合を乗じた金額である(措法43の3①)。

取得等の時期発災から3年目まで発災から4・5年目
被災代替資産等の区分
建物又は構築物15%
(18%)
10%
(12%)
機械装置30%
(36%)
20%
(24%)

(注) 上記のカッコ内の割合は、中小企業者等が取得等をする場合の割合。

〈種類〉

12 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却〔措法44措令28の4

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人が、関西文化学術研究都市建設促進法第5条第2項に規定する建設計画の同意の日から令和5年3月31日までの間に、同法第2条第4項の文化学術研究施設のうち新設又は増設に係る一定の研究所用の施設等を新規に取得(製作又は建設を含む。)し、これをその法人の事業の用に供した場合においては、普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を加算する特別償却が認められる(措法44)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる一定の研究所用の施設等とは、次のものをいう。

 関西文化学術研究都市建設促進法第2条第4項に規定する文化学術研究施設のうち一定の要件を満たす研究所用の施設に含まれる研究所用の建物及びその附属設備並びに機械及び装置で一定規模以上のもの

(注)1 一定の要件とは、次のものをいう(措令28の4①)。

  • ① 研究所用の施設で取得に必要な資金の額が3億5千万円以上であること
  • ② その施設の設置に関し、国土交通大臣の証明があること

  2 一定規模とは、1台又は1基の取得価額が400万円以上であるものをいう(措令28の4②)。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、施設の区分に応じ、その施設等の取得価額に次の割合を乗じた金額である。

区分割合
機械装置12%
建物等6%

〈種類〉

13 特定事業継続力強化設備等の特別償却〔措法44の2措法11の3)、措令28の5

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人で中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)、事業協同組合、協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会及び商店街振興組合であるもののうち中小企業等経営強化法の事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画認定を受けたものが、同法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、特定事業継続力強化設備等を取得(製作又は建設を含む。)し、その事業の用に供した場合に、その取得価額の一定割合を加算する特別償却が認められる(措法44の2措令28の5①)。

〈対象設備の範囲〉

(1) この制度の対象となる特定事業継続力強化設備等とは、中小企業等経営強化法第56条第2項第2号ロに規定する事業継続力強化設備等として、認定事業継続力強化計画等に記載されたもののうち、次に掲げる規模のもの(措法44の2①、措令28の5②)。

  • ① 機械装置   1台又は1基の取得価額が100万円以上のもの
  • ② 器具備品   1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの
  • ③ 建物附属設備 一の建物附属設備の取得価額が60万円以上のもの

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、特定事業継続力強化設備等の取得価額の20%(令和5年4月1日以後に取得(製作及び建設を含む。)したものについては、取得価額の18%)相当額である(措法44の2①)。

〈種類〉

14 共同利用施設の特別償却〔措法44の3措令28の6

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人で生活衛生同業組合(出資組合であるものに限る。)又は生活衛生同業小組合であるものが、平成3年4月1日から令和5年3月31日までの間に、一定の共同利用施設を取得(製作又は建設を含む。)し、これをその法人の事業の用に供した場合には、共同利用施設の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を加算する特別償却が認められる(措法44の3)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる共同利用施設とは、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律第56条の3第1項の認定を受けた振興計画に係る共同利用施設で、取得価格が400万円以上のものをいう(措法44の3措令28の6)。

〈特別償却限度額等〉

 特別償却限度額は、共同利用施設の取得価額の6%相当額である(措法44の3①)。

〈種類〉

15 特定地域における工業用機械等の特別償却〔措法45措法12)、措令28の9措規20の16

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

  • (1) 青色申告法人が、一定規模の事業用設備を新設又は増設する場合において、一定の減価償却資産を取得(製作又は建設を含む。)して、その事業の用に供した場合には、一定の減価償却資産の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を加算する特別償却が認められる(措法45①)。
  • (2) 青色申告法人が、平成25年4月1日から令和5年3月31日まで(右記(2)①にあっては、令和3年4月1日から令和6年3月31日まで)の期間(対象期間)内に、対象地区内において指定事業の用に供する一定の設備の取得等をする場合において、その取得等をした設備を対象地区内において指定事業の用に供したときは、その用に供した日(供用日)以後5年以内の日を含む各事業年度の当該設備を構成するもののうち産業振興機械等の償却限度額は、供用日以後5年以内(供用期間)でその用に供している期間に限り、その産業振興機械等の普通償却限度額に、その普通償却限度額の一定割合を加算する割増償却が認められる(措法45②措令28の9⑨)。

〈対象設備の範囲〉

  • (1) この制度の対象となる一定の減価償却資産は、次のものをいう(措法45①、措令28の9①③~⑧)。
    • ① 沖縄振興特別措置法に規定する産業高度化・事業革新促進地域で、同法の産業高度化・事業革新促進計画の提出のあった日から令和4年3月31日までの期間内に取得する製造事業、道路貨物運送事業等一定の事業の用に供する機械装置及び器具備品並びに工場用建物及びその附属設備
    • ② 沖縄振興特別措置法に規定する提出国際物流拠点産業集積計画において国際物流拠点産業集積地域として定められている地区で国際物流拠点産業集積計画の提出があった日から令和4年3月31日までの期間内に取得する製造事業、道路貨物運送事業等一定の事業の用に供する機械装置並びに工場用建物及びその附属設備
    • ③ 沖縄振興特別措置法の規定により経済金融活性化特別地区として指定された地区で、経済金融活性化計画の認定の日から令和4年3月31日までの期間内に取得する認定経済金融活性化計画に記載された特定経済金融活性化産業に属する事業の用に供する機械装置、器具備品並びに建物及びその附属設備
    • ④ 沖縄振興特別措置法に規定する離島の地域で離島として定められた日又は指定された日から令和4年3月31日までの期間内に取得する旅館業用建物及びその附属設備
  • (2) この制度の対象となる産業振興機械等とは、下記の設備を構成するもののうち機械装置、建物及びその附属設備並びに構築物をいう(措法45②措令28の9⑪~○21)。
    • ① 過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域及び過疎地域に準ずる地域のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進される地域内において計画期間の初日又は特定過疎地域持続的発展市町村計画が定められた日のいずれか遅い日から令和6年3月31日までの期間内に取得等をする、製造業、農林水産物等販売業、旅館業及び情報サービス業等のうちその地区に係る特定過疎地域持続的発展市町村計画に記載された事業の用に供される設備で一定の規模のもの
    • ② 半島振興法に規定する半島振興対策実施地域内の市町村が作成する認定半島産業振興促進計画に記載された計画区域内の地区内において、計画期間の初日から令和5年3月31日までの期間内に取得等をする、製造業、農林水産物等販売業、旅館業及び情報サービス業等のうち認定半島産業振興促進計画に記載された事業の用に供される設備で一定の規模のもの
    • ③ 離島振興法に規定する離島振興対策実施地域のうち、その地域内の市町村の長が策定する産業の振興に関する計画のうち計画基準を満たすものに係る地区として関係大臣(総務大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣)が指定する地区内において、平成25年4月1日から令和5年3月31日までの期間内に取得等をする、製造業、農林水産物等販売業、旅館業及び情報サービス業等のうち産業投資促進計画に記載された事業の用に供される設備で一定の規模のもの
    • ④ 奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島のうち、認定奄美産業振興促進計画に記載された計画区域内の地区内において、計画期間の初日から令和5年3月31日までの期間内に取得等をする、製造業、農林水産物等販売業、旅館業及び情報サービス業等のうちその地区に係る認定奄美産業振興促進計画に記載された事業の用に供される設備で一定の規模のもの

〈特別償却限度額等〉

(1) 特別償却限度額は、一定の減価償却資産の取得価額に次の区分に応じた次の割合を乗じた金額である(措法45①)。

区分機械装置及び器具備品建物及び附属設備
①の資産34%20%
②・③の資産50%25%
④の資産 8%

(注)1 一の生産等設備を構成する工業用機械等の取得価額の合計額が左記①から③までにあっては20億円を、④にあっては10億円をそれぞれ超える場合には、それぞれ20億円又は10億円にその工業用機械等の取得価額がその生産等設備を構成する工業用機械等の取得価額の合計額のうちに占める割合を乗じて計算した金額が特別償却の対象取得価額となる(措法45①)。

  2 左記の二以上の地域に該当する場合には、法人の選択により、いずれか一の地域に該当するものとして特別償却率を適用することができる。

(2) 割増償却限度額は、普通償却限度額の32%(建物及びその附属設備並びに構築物については48%)相当額である(措法45②)。

〈種類〉

16 医療用機器等の特別償却 〔措法45の2措法12の2)、措令28の10措規20の17

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人で医療保健業を営むものが、昭和54年4月1日から令和5年3月31日までの間に、一定の医療用機器のうち、高度な医療の提供に資する機器の取得(製作を含む。)をし、その法人の営む医療保健業の用に供した場合又は平成31年4月1日から令和5年3月31日までの間に、一定の規模以上の勤務時間短縮用設備等又は構想適合病院用建物等の取得(製作又は建設を含む。)をし、その法人の営む医療保健業の用に供した場合において、その医療用機器、勤務時間短縮用設備又は構想適合病院用建物等の普通償却限度額に、その取得価額の一定割合を加算する特別償却が認められる(措法45の2①~③)。

〈対象設備の範囲〉

  • (1) この制度の対象となる一定の医療用機器とは、次のものをいう(措法45の2①、措令28の10①②)。
    • ① 高度な医療の提供に資するもの又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器のうち承認を受けてから2年以内のもののうち、医療用の機械装置及び器具備品の取得価額が1台又は1基あたり500万円以上のもの。
    • ② 特定の医療用機器(病院用のCT及びMRI)について、既存機器の有効利用率が一定以上であること(更新投資)又は同様の機器を有しない他の医療機関との共同利用を行うこと(新増設)について、都道府県の確認等を受けているもの。
  • (2) この制度の対象となる一定の規模以上の勤務時間短縮用設備等とは、器具備品(医療用機器を含む。)及び一定のソフトウエアのうち、その法人の医師等勤務時間短縮計画に基づき取得等するものとしてその計画に記載されたもののうち、器具備品にあっては1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの、ソフトウエアにあっては一のソフトウエアの取得価額が30万円以上のもの(措令28の10③~⑤、措規則20の17)。
  • (3) この制度の対象となる構想適合病院等建物等とは、医療法の構想区域等において取得等をする病院用又は診療所用の建物及びその附属設備のうち、次に掲げる要件のいずれかに該当するもので、その地域医療構想調整会議における協議による方針に基づく病床の機能区分に応じた病床数の増減に資するものであること等につきその構想区域等に係る都道府県の確認を受けたもの(措令28の10⑥)。
    • ① 既存の病院用又は診療所用の建物及びその附属設備についてその用途を廃止し、これに代わるものとして新たに建設されるものであること。
    • ② 改修により既存の病院用又は診療所用の建物において一の病院の機能区分に応じた病床数が増加する場合のその改修によるものであること。

〈特別償却限度額等〉

 左記(1)①、②の特別償却額は取得価額の12%相当額である(措法45の2①)。

 左記(2)の特別償却額は取得価額の15%相当額である(措法45の2②)。

 左記(3)の特別償却額は取得価額の8%相当額である(措法45の2③)。

〈種類〉

17 障害者を雇用する場合の特定機械装置の割増償却〔措法46措法13)、措令29措規20の18

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人が、昭和48年4月1日から令和4年3月31日までの期間(指定期間)内の日を含む各事業年度において、障害者を雇用し、かつ、次の①から③までに掲げる要件のいずれかを満たす場合には、その事業年度末に有する一定の機械及び装置の普通償却限度額に、その普通償却限度額の一定割合を加算する割増償却が認められる(措法46①)。

  • ① 障害者雇用割合が100分の50以上であること
  • ② 雇用障害者数が20人以上であって、障害者雇用割合が100分の25以上であること
  • ③ 次に掲げる要件の全てを満たしていること
    • イ 基準雇用障害者数が20人以上であって、重度障害者割合が100分の55以上であること
    • ロ 当該事業年度終了の日における雇用障害者数が障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する法定雇用障害者数以上であること

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる一定の機械及び装置とは、事業年度末に有する機械及び装置で、障害者が労働に従事する事業所にあるものであることにつき法人の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長の証明を受けたもの(その事業年度の指定期間内又はその事業年度開始の日前5年以内に取得し、又は製作し、若しくは建設したものに限る。)をいう(措法46①)。

〈特別償却限度額等〉

 左記の割増償却限度額は、普通償却限度額の12%相当額である(措法46①)。

〈種類〉

18 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却〔措法46の2措法13の2)、措令29の3措規20の19

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人で農業競争力強化支援法の施行の日(平成29年8月1日)から令和5年3月31日までの期間内に同法の事業再編計画の認定を受けた認定事業再編事業者が、その事業再編計画の期間内に事業再編促進機械等を取得(製作又は建設を含む。)し、事業再編促進対象事業の用に供した場合は、その事業の用に供した日以後5年以内の日を含む各事業年度において、事業再編促進機械等の普通償却限度額に、その普通償却限度額の一定割合を加算する割増償却が認められる(措法46の2①)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる事業再編促進機械等とは、認定事業再編計画に記載された農業競争力強化支援法第18条第5項に規定する事業再編促進設備等を構成する機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物をいう(措法46の2①)。

〈特別償却限度額等〉

 割増償却限度額は、普通償却限度額に40%(建物及びその附属設備並びに構築物については、45%)を乗じた金額である(措法46の2①)。

〈種類〉

19 特定都市再生建築物の割増償却〔措法47措法14)、措令29の5措規20の21

  適用期限 令和5.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人が、昭和60年4月1日から令和5年3月31日までの間に、特定都市再生建築物を取得(新築を含む。)し、これを事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日以後5年以内の日を含む各事業年度において、その特定都市再生建築物の普通償却限度額にその普通償却限度額の一定割合を加算する割増償却が認められる(措法47①)。

〈対象設備の範囲〉

 この割増償却の対象となる特定都市再生建築物とは、次に掲げる建築物に係る建物及びその附属設備をいう(措法47③、措令29の5①②、措規20の21①)。

 次の地域内において、都市再生特別措置法の認定都市再生事業により整備される耐火建築物で認定事業者等が取得するものであることにつき証明がされたもの

  • (1) 都市再生特別措置法の特定都市再生緊急整備地域
  • (2) 都市再生特別措置法の都市再生緊急整備地域((1)の地域に該当するものを除く。)

〈特別償却限度額等〉

 割増償却限度額は、普通償却限度額に次の区分に応じた次の割合を乗じた金額である。

区分割合
左記(1)の地域内において整備される建築物50%
左記(2)の地域内において整備される建築物25%

〈種類〉

20 倉庫用建物等の割増償却〔措法48措法15)、措令29の6措規20の22

  適用期限 令和4.3.31

〈対象法人等〉

 青色申告法人で流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の規定による特定総合効率化計画について認定を受けたものが、昭和49年4月1日から令和4年3月31日までの期間内に倉庫用建物等で建設の後使用されたことのないものを取得(建設を含む。)し、倉庫業の用に供した場合には、その倉庫業の用に供した日以後5年以内でその用に供している期間は、普通償却限度額にその普通償却限度額の一定割合を加算した割増償却が認められる(措法48①)。

〈対象設備の範囲〉

 この制度の対象となる一定の倉庫用建物等とは、物資流通拠点区域内の倉庫用建物等(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律に規定する特定総合効率化計画に記載された特定流通業務施設に限られる。)のうち、物資の輸送の合理化に著しく資するものとして国土交通大臣が財務大臣と協議して指定するものをいう(措法48①、措令29の6措規20の22)。

〈特別償却限度額等〉

 割増償却限度額は、普通償却限度額の10%相当額である(措法48①)。

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