税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

民事再生等の場合の評価損

この解説は最終更新日から1年以上経過しており、現行法令に準拠していない可能性があります。

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 再生計画認可の決定など特定の事実が生じた場合には、その有する資産の評価損の額をその特定の事実が生じた日の属する事業年度に計上することができる(法33④)。

備考

確定申告書に評価損明細又は評価益明細の記載があり、かつ、評価損関係書類又は評価益関係書類の添付がある場合に限り認められる(法33⑦、規22の2)。

特定の事実の範囲

 特定の事実とは、次に掲げるものである(法33④、令68の2①)。

  • (1) 再生計画認可の決定があったこと
  • (2) (1)に準ずる事実(要件については、民事再生等の場合の評価益と同様。404頁の項を参照。)

評価損の計上対象資産

 対象となる資産は、次の資産以外の資産である(法33④、令68の2③)。

  • ① 前5年内事業年度等において所要の圧縮記帳制度の適用を受けた減価償却資産
  • ② 短期売買商品又は時価評価をする仮想通貨
  • ③ 売買目的有価証券
  • ④ 償還有価証券
  • ⑤ 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入(令133)又は一括償却資産の損金算入(令133の2①)の規定の適用を受けた減価償却資産その他これに類する資産

資産の評価損の額

 資産の評価損の額は、次のとおりである(法33④、令68の2④)。

  • ① 再生計画認可の決定があった場合 その有する資産の当該再生計画認可の決定があった時の価額とその直前の帳簿価額との差額
  • ② 特定の事実の範囲のうち(2)に掲げる事実に該当する場合 その有する資産の認定に係る貸借対照表に計上されている価額と当該事実が生じた時の直前の帳簿価額との差額

評価損を計上しない場合

 完全支配関係がある他の内国法人が清算中である場合、解散が見込まれる場合又はそのグループ内で適格合併を行うことが見込まれる場合には、その法人の株式についての評価損は、所得の計算上損金に算入しない(法33⑤、令68の3)。

評価損否認金の処理

 評価損の全部又は一部が損金に算入されなかった場合には、その評価減をした資産の帳簿価額は、損金に算入されなかった金額だけ評価減が行われなかったものとして取り扱われる(法33⑥)。

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