税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

納税義務者と納税義務の範囲

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 相続税は、相続・遺贈(死因贈与を含む。)又は贈与(相続時精算課税制度の適用を受ける場合に限る。)により財産を取得した個人に課税される(法1の3)。

 納税義務の範囲によって次のとおり区分される。

  • 1 居住無制限納税義務者(国内財産・国外財産ともに課税)
      相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者で取得時にこの法律の施行地に住所を有するもの
    • ① 一時居住者でない個人
    • ② 一時居住者である個人(その被相続人が外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)
  • 2 非居住無制限納税義務者(国内財産・国外財産ともに課税)
      相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者で取得時にこの法律の施行地に住所を有しないもの
    • ① 日本国籍を有する個人で次に掲げるもの
      • (1) 相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもの
      • (2) 相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないもの(その被相続人が外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)
    • ② 日本国籍を有しない個人(その被相続人が外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)
  • 3 居住制限納税義務者(国内財産のみに課税)
      相続又は遣贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で取得時にこの法律の施行地に住所を有するもの(1に掲げる者を除く。)
  • 4 非居住制限納税義務者(国内財産のみに課税)
      相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で取得時にこの法律の施行地に住所を有しないもの(2に掲げる者を除く。)
     なお、被相続人から相続時精算課税制度の適用を受ける財産を取得した個人で上記1から4までに掲げる者に該当しないものも、当該財産について相続税の納税義務がある。

備考

「一時居住者」とは、相続開始の時において在留資格(出入国管理及び難民認定法別表第一の上欄の在留資格をいう。)を有する者でその相続開始前15年以内にこの法律の施行地に住所を有していた期間の合計が10年以下であるものをいう。

「外国人被相続人」とは、相続開始の時において、在留資格を有し、かつ、この法律の施行地に住所を有していたその被相続人をいう。

「非居住被相続人」とは、相続開始の時において、この法律の施行地に住所を有していない被相続人であって、次のいずれかに該当する者をいう。

  • ① 相続の開始前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもののうちそのいずれの時においても日本国籍を有していなかったもの
  • ② 相続の開始前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないもの

国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の期限の延長を受ける個人が死亡した場合には、その個人は、相続又は遺贈前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。

贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の適用を受ける者から贈与により財産を取得した受贈者又は当該納税猶予の適用を受ける相続人が死亡した場合には、その受贈者又は相続人は、相続又は遺贈前10年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたものとみなす(その受贈者又は相続人が譲渡所得等の特例に係る贈与又は相続若しくは遺贈前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない場合を除く。)。

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈がある。包括遺贈とは、財産を特定しないでする遺贈のことで、包括遺贈を受けた者は、相続人と同じく遺産の分割に参加する。特定遺贈とは、何会社の株式というように、特定の財産を遺贈することである。

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