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[全文公開] 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令要旨(財務省令第21号)

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一 租税特別措置法施行規則の一部改正(第1条関係)

1 個人所得課税

(1) 利子所得の分離課税等について,本特例の適用対象から除かれる同族会社が発行した社債の利子につきその同族会社の判定の基礎となる株主が法人である場合におけるその支払を受ける個人の範囲を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第2条関係)

(2) 障害者等の少額公債の利子の非課税措置について,次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法施行規則第2条の5関係)

① 特別非課税貯蓄申込書を提出する者が告知をすべき事項を記載した帳簿の記載事項の変更届出書(以下「届出書」という。)の金融機関の営業所等に対する書面による提出に代えて,当該金融機関の営業所等に対して当該届出書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとする。この場合において,当該提供があったときは,当該届出書の提出があったものとみなす。

② 届出書に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合には,当該届出書に添付すべき書類の写しの提出に代えて,金融機関の営業所等に対して当該写しに記載されている事項の電磁的方法による提供を行うことができることとする。この場合において,当該提供があったときは,当該写しの添付があったものとみなす。

(3) 勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税措置について,次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法施行規則第3条の5,第3条の6,第3条の12,第3条の15,第3条の16の2関係)

① 財産形成年金貯蓄の一回に支払を受ける年金の額が算定された場合に提出しなければならない書面等の提出に代えて,当該書面等に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとする。この場合において,当該提供があったときは,当該書面等の提出があったものとみなす。

② 勤務先一括提出書類の記載事項,勤労者等が財産形成非課税申込書等に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合の電磁的方法及び講じなければならない措置その他の細目を定める。

(4) 青色申告特別控除について,65万円の青色申告特別控除額の適用における帳簿書類の電磁的記録等による保存等の見直しに伴いその要件の細目を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第9条の6関係)

(5) 収用等の場合の5,000万円特別控除等について,適用対象となる配電事業の用に供するために設置される送電施設又は一定の変電施設に関する事業の用のために資産を譲渡した場合に確定申告書に添付すべき書類を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第14条関係)

(6) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除について,適用対象となる福島県知事が公告をした農用地利用集積等促進計画の定めるところにより農地中間管理機構が行う農地売買等事業のために農地等を譲渡した場合に確定申告書に添付すべき書類を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第18条,第22条の6関係)

(7) 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例について,本特例の適用対象から除かれる同族会社が発行した社債の償還金につきその同族会社の判定の基礎となる株主が法人である場合におけるその支払を受ける個人の範囲を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第18条の9関係)

(8) 特定口座年間取引報告書について,特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る記載事項の整備を行うこととする。(租税特別措置法施行規則第18条の13の5,別表第七(一)関係)

(9) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について,既存住宅及び要耐震改修住宅が床面積要件等を満たす家屋であることについての税務署長の確認の細目を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第18条の21関係)

(10) 特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例について,本特例における確定申告書への添付書類の見直しに伴い,確定申告書に添付すべき特定一般用医薬品等購入費の明細書に記載すべき一定の取組に関する事項を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第19条の10の2関係)

(11) 公益社団法人等に対して寄附をした者が公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除の適用を受ける際に確定申告書に添付等すべき書類について,その寄附金がその法人の主たる目的である業務に関連する寄附金控除の対象となる寄附金である旨(現行:主たる目的である業務に関連する寄附金である旨)のその法人が証する書類等に見直すこととする。(租税特別措置法施行規則第19条の10の5関係)

(12) 支払調書等の提出の特例について,電子情報処理組織を使用する方法による支払調書等の記載事項の提供に,特定ファイルに当該記載事項を記録し,かつ,税務署長に対して,特定ファイルに記録された当該記載事項を閲覧し,及び国税庁の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する権限を付与する方法による提供を加えることとする。(租税特別措置法施行規則第19条の16関係)

2 法人課税

(1) 試験研究を行った場合の特別税額控除制度について,次の見直しを行うこととする。(租税特別措置法施行規則第5条の6,第20条,第22条の23関係)

① 組織再編成があった場合の基準年度比売上金額減少割合の計算における基準事業年度の売上金額及び基準年度試験研究費の額の計算における基準事業年度の試験研究費の額を移転事業に係る金額とその移転事業以外の事業に係る金額とに区分する合理的な方法についての所轄税務署長の認定を受けるための手続等を定める。

② 特別試験研究費の額に係る特別税額控除制度について,次の見直しを行う。

  • イ 中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)及び農業協同組合等以外の事業者が行う大学等との共同研究及び大学等への委託研究における契約又は協定で定めるべき事項にその試験研究に要する費用の見込額(50万円を超えるものに限る。)を加える。

    ロ 成果活用促進事業者との共同研究及び成果活用促進事業者への委託研究における成果活用促進事業者の範囲及びこれらの試験研究における契約又は協定で定めるべき事項の細目等を定める。

    ハ 特定中小企業者等への委託研究における委任契約等の細目を定める。

(2) 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について,対象となる事業の範囲に料亭,バー,キャバレー,ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る。),不動産業及び物品賃貸業を加えることとする。(租税特別措置法施行規則第5条の8,第20条の3関係)

(3) 給与等の支給額が増加した場合の特別税額控除制度について,国内雇用者の雇用開始日,教育訓練費となる費用の細目,確定申告書等に添付すべき教育訓練費についての書類の記載事項等を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第5条の12,第20条の10,第22条の32関係)

(4) 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例について,その有する資産につきマンションの建替え等の円滑化に関する法律の敷地分割事業が実施された場合のその資産に係る敷地権利変換により除却敷地持分等を取得したときにおいて,本特例の適用を受ける場合に保存すべき書類を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第22条の2関係)

(5) 株式等を対価とする株式の譲渡に係る所得の計算の特例について,株式交付親会社が株式交付により取得をした株式交付子会社の株式の取得価額の算定方法の細目を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第22条の9の3,第22条の73の2関係)

3 国際課税

(1) 振替公社債等の利子等の課税の特例等における非課税適用申告書等に記載すべき事項等を電磁的方法により提供する場合の電磁的方法の種類を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第3条の18~第3条の20,第19条の7,第19条の14の3,第19条の15関係)

(2) 外国組合員に対する課税の特例について,次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法施行規則第19条の12,第22条の19の2関係)

① 5年ごとに提出しなければならない特例適用申告書の記載事項及びその添付書類の細目を定める。

② 特例適用申告書等に記載すべき事項及びその添付書類に記載されるべき事項を電磁的方法により提供する場合の電磁的方法の種類を定める。

(3) 免税芸能法人等が支払う芸能人等の役務提供報酬等に係る源泉徴収の特例について,免税芸能法人等に関する届出書に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合の電磁的方法の種類,対価の支払者が満たすべき要件及び免税芸能法人等が講じなければならない措置を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第19条の14関係)

(4) 国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例について,類似法人の倍数を適用する場合における類似法人の総負債の額から控除する債券現先取引等に係る一定の金額を見直すこととする。(租税特別措置法施行規則第22条の10の6,第22条の75の2関係)

4 資産課税

(1) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の適用対象となる既存住宅用家屋等であることについて,税務署長の確認を受けるために提出すべき書類の記載事項を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第23条の5の2関係)

(2) 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について,教育資金非課税申告書等の添付書類に記載されている事項の電磁的方法による提供方法を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第23条の5の3関係)

(3) 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について,結婚・子育て資金非課税申告書等の添付書類に記載されている事項の電磁的方法による提供方法を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第23条の5の4関係)

(4) 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例の適用対象となる既存住宅用家屋等であることについて,税務署長の確認を受けるために提出すべき書類の記載事項を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第23条の6関係)

(5) 個人事業者の事業用資産に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度について,適用対象となる特定事業用資産の範囲に,営業用以外の乗用自動車で一定のもの(取得価額500万円以下の部分に対応する部分に限る。)を加えることとする。(租税特別措置法施行規則第23条の8の8,第23条の8の9関係)

(6) 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度について,次に掲げる場合には,(特例)経営承継相続人等の要件のうち,被相続人の相続の開始の直前において(特例)認定承継会社の役員であることとの要件を撤廃する。(租税特別措置法施行規則第23条の10,第23条の12の3関係)

① 被相続人が70歳未満(現行:60歳未満)で死亡した場合

② 当該相続の開始の直前において,中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の確認を受けた特例認定承継会社の当該確認に係る特例後継者である場合

(7) マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置について,マンションの建替え等の円滑化に関する法律の敷地分割組合等が本措置の適用を受ける場合の手続を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第28条関係)

(8) 医療機関の開設者が再編計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について,本措置の適用を受ける場合の手続を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第30条の4関係)

(9) 居住誘導区域等権利設定等促進計画に基づき不動産を取得した場合の所有権等の移転登記等に対する登録免許税の軽減措置について,本措置の適用を受ける場合の手続を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第31条の4の3関係)

5 消費課税

(1) 輸出酒類販売場制度において酒類製造者が保存する電磁的記録について,電磁的記録に記録された事項に関する消費税法施行規則の規定を準用することとする。(租税特別措置法施行規則第37条の4の9関係)

(2) 自動車重量税率の特例措置の適用対象とならない免税対象車等の範囲等を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第40条の2関係)

(3) 自動車重量税の免税等の特例措置について,対象となる自動車の範囲等を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第40条の4関係)

(4) 車両安定性制御装置等を装備した乗合自動車等に係る自動車重量税率の特例措置について,対象となる自動車の範囲等を定めることとする。(租税特別措置法施行規則第40条の7関係)

6  その他所要の規定の整備を行うこととする。

二 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令(平成30年財務省令第26号)の一部改正(第2条関係)

1  輸出酒類販売場制度における電磁的記録に記録された事項に関する見直しに伴い,所要の整備を行うこととする。(租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令附則第35条関係)

2  その他所要の規定の整備を行うこととする。

三 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令(令和2年財務省令第21号)の一部改正(第3条関係)

1  特定の資産の買換えの場合等の課税の特例に関する経過措置について,所要の規定の整備を行うこととする。(租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令附則第17条,第20条関係)

2  その他所要の規定の整備を行うこととする。

四 施行期日

この省令は,別段の定めがあるものを除き,令和3年4月1日から施行することとする。(附則第1条関係)