飲食料品に係る2年間の消費税率の臨時的引下げについて
税理士 上竹 良彦
| 略歴: | 財務省主税局税制第二課課長補佐、同課主税調査官、雪谷税務署長、東京国税局課税第二部法人課税課長、国税庁課税部審理室長、同庁課税部消費税室長、熊本国税局総務部長、高松国税局長を歴任。現在税理士。 |
●はじめに
政府は、令和8年9月15日、「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(以下「大綱」という。)を閣議決定した。
平成元年4月の消費税導入以来、税率は段階的に引き上げられてきたが、既存の税率そのものを引き下げる改正が実現すれば、消費税制度における大きな転換点となる。
大綱では、令和11年度に予定される所得に連動した給付制度の本格導入までの「つなぎ」として、令和9年4月1日から2年間、現行の軽減税率の対象である飲食料品に係る消費税率を1%に引き下げるとともに、飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で「就業者負担軽減支援金」を支給することとし、その後の制度の本格導入へ円滑に接続することとされている。
もっとも、本稿執筆時点で公表されているのは、大綱及び国税庁がその内容を説明するために公表した「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(以下「Q&A」という。)までであり、改正法案はまだ国会に提出されていない。このため、法令上の詳細については、なお明らかでない部分がある。
一方、税率引下げの対象となる「飲食料品」の範囲は、現在8%の軽減税率が適用...
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