概要
<通達本文>
(1) 法人が資産の贈与を受けた場合又は債務の免除を受けた場合の受贈益又は債務免除益は,各事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入される(法22②)。企業会計原則においては,資本補填を目的とする贈与益(例えば,株主の贈与及び債務免除益,株主以外の債権者の債務免除も原則として同様),資本的拠出を意味する贈与益(例えば,建設助成のための国庫補助金,工事負担金等)は資本剰余金であると考えられているようであるが,税法上は,資産の贈与を受けること,債務免除を受けることは資本等取引に該当しないので,その相手方及び贈与の目的等に関係なく,全て益金の額に算入すべきものである。
(2) ところが,この受贈益,債務免除益を益金の額に算入して直ちに課税することが適当でない場合もあるので,一定の受贈益,債務免除益については,特に課税上の特例が認められている。その主なものは次のようなものである。
① 完全支配関係がある内国法人から受けた受贈益の額の益金不算入(法25の2)
内国法人が当該内国法人との間に完全支配関係(法人による完全支配関係に限る。)がある他の内国法人から受けた受贈益の額(法第37条の規定を適用しないとした場合に当該他の内国法人において損金算入される寄附金の額に対応するものに限る。)は,当該内国法人の所得金額の計算上,益金の額に算入しない。
② 国庫補助金等で取得した固定資産の圧縮記帳(法42)
これは,国庫補助金等の額だけ,それによって取得した固定資産につき圧縮記帳し,圧縮損を損金の額に算入することにより収入した国庫補助金等の課税を延期する制度である。
③ 工事負担金で取得した固定資産の圧縮記帳(法45)
これも②と同様である。
④ 会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(法59)
更生手続開始の決定があった場合又は再生手続開始の決定があったことその他これに準じる一定の事実が生じた場合に,役員,株主等,債権者から資産の贈与又は債務免除を受けたときは,この受贈益,債務免除益に相当する繰越欠損金の損金算入が認められる。
- 「十一訂版 法人税基本通達逐条解説」のご購入はこちら
全文をご覧になりたい方は、下記ボタンからご購入をお願いいたします。
「十一訂版 法人税基本通達逐条解説」では、本解説だけでなく法人税基本通達のすべての項目に対する解説もご覧いただけます。