改正実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」の概要

企業会計基準委員会 客員研究員 神谷陽一

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I.はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)は,平成27年3月11日,改正実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」(以下,「本実務対応報告」という。)を公表した。本実務対応報告の原文については,ASBJのウェブサイト( https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/lease_2015/index.shtml )より入手可能である。

本稿では,本実務対応報告の改正部分の概要を紹介する。なお,文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であることをあらかじめ申し添える。

Ⅱ.改正の概要

1.改正の経緯

日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)に基づき実施する施策として,新たなスキーム(以下,「本リース・スキーム」という。)によるリース取引が導入されたことを受けて,ASBJは,平成26年6月30日に実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」を公表した。当該実務対応報告において,契約変更時の借手の会計上の取扱いにつ...