改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の概要

企業会計基準委員会 専門研究員 淡河貴絵

( 16頁)

企業会計基準委員会(ASBJ)は,平成27年3月26日に改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」を公表した。本稿では,本改正実務対応報告の概要を紹介する。なお,文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめ申し添える。

Ⅰ.改正の経緯

平成25年3月29日に開催された第261回企業会計基準委員会において,基準諮問会議からASBJに対して,実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)の見直しについて,新規テーマとして提言された。これを受けて,平成27年改正実務対応報告では,①平成26年1月に改正された,米国におけるFASB Accounting Standards Codification(米国財務会計基準審議会(FASB)による会計基準のコード化体系)のTopic 350「無形資産‐のれん及びその他」(以下「FASB-ASC Topic 350」という。)への対応,②平成25年9月に改正された企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下「...