「のれん」の取り扱い状況を調査

学術文献から「減損のみが優位」の結論は困難
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企業会計基準委員会(ASBJ,小野行雄委員長)は5月19日,リサーチ・ペーパー第1号「のれんの償却に関するリサーチ」を公表した。ASBJなどが公表した論点整理「のれんはなお償却しなくてよいか―のれんの会計処理及び開示」とそのコメント分析,国際議論での指摘などを踏まえ,ASBJがのれんに関するわが国企業の状況等を調査した。

リサーチの経緯

企業結合時の「のれん」を巡っては,国際会計基準(IFRS)と米国基準が定期償却を認めず減損テストのみの処理を定めているが,日本基準では償却を認めるなどその取り扱いが異なる。一方,IFRSと米国基準の採用国・地域においても,定期償却とともに減損処理の手続き改善等を求...