厳選!現場からの緊急相談Q&A 第11回 ヘッジ会計

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 内田 彰彦

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経理部員 :コーポレートガバナンス・コードに関連して,持合株式に関する保有方針や議決権行使に関する基準の策定・開示が求められています。当社もこれを契機に持合株式をかなり売却しましたが,どうしても売却できないものが残っております。現状は株価が上昇しており含み益となっておりますが,今後の株価下落に備えた処置を取りたいと考え,上場持合株式に対するヘッジ会計の適用を考えております。
上場持合株式の株価変動リスクのヘッジに関する会計上の論点を整理させてください。
会計士 :上場持合株式の株価変動リスクをヘッジするために考えられる方法と会計上の論点についてまとめておきましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1 売却予定のない上場持合株式の株価変動リスクのヘッジ

上場持合株式の株価変動リスクをヘッジするための手段として,どのような商品がありますか。また,保有する上場持合株式は,現時点では売却の予定はありませんが,将来の株価変動リスクに備えるため,売却予定のない現時点でヘッジ会計を適用することは可能でしょうか。

◆Answer◆

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