ちょっと役立つワインの小話 第10回 この時期飲みたい「白」と旬なお料理のお話

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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梅雨の到来とともに,毎日ジメジメした日が続いていますね。

こんな時期に飲みたいスカッとするワインと言えば,まずスパークリングワインを思い浮かべますが,今回はソーヴィニヨン・ブランという品種の白ワインのお話をします。ソーヴィニヨン・ブランは長期熟成タイプの品種ではなく,比較的若い段階より楽しむことができ,フランスのロワール地方・ボルドー地方,そしてニュージーランドが三大産地として有名です。総じてお手頃な価格のタイプが多いので,この時期,普段飲みワインとして,キンキンに冷やした状態で常備しておく価値大なワインです。

この品種の特徴としては,柑橘系果実やハーブの香り,そして豊かな酸味とほのかな苦みとミネラル感の味わいなどが挙げられますが,要するに爽やかでキリッとしたワインで,こうしたタイプのワインは冷やすとその長所が際立ってくるので,この時期にぴったりなのです。

こんなキレのいい白ワインなので,白身のお刺身や生ガキなどに合わせると非常に相性がよいのですが,何と言ってもこの時期にこのワインとともにいただきたい食材が,今年も解禁となった「鮎」なのです。鮎料理と言えば,塩焼きが定番ですがレモンを絞ったり...