厳選!現場からの緊急相談Q&A 第19回 後発事象

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 男澤 江利子

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経理部員 :当社グループは主たる事業として飲食業を営んでいます。また,菓子の小売にも業容を拡大すべく,3年前に菓子小売業を営むA社に出資を行い,関連会社としています。
飲食業は低価格キャンペーンとここ数年で急速に進めた店舗網拡大により収支が悪化しています。また,菓子小売業も思うようには業績が伸びていません。
こうした状況を踏まえ,4月からの新事業年度(当社は3月決算会社です)において,経営再建に向けた動きが順次決定されています。これらは,後発事象に該当するものと考えていますが,決算書における取扱いについて教えてください。
会計士 :本事業年度は,期末日後に多くの動きが生じていますね。今回は,後発事象が発生した場合の取扱いについて,実務上のポイントを確認してみましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1 修正後発事象と開示後発事象(1)

当社グループは,主たる事業である飲食業の業績が悪化している中,当面中核事業である飲食業に経営資源を集中すべきとして,4月20日の取締役会において,菓子小売業を営む関連会社A社の株式の全て...