キャッシュ・フロー予算制度構築 第1回【実務トレンド】「損益予算」から「キャッシュ・フロー予算」へ
宝印刷グループ㈱スリー・シー・コンサルティング 児玉 厚
はじめに
「キャッシュ・フロー経営なのに,何故目標となるキャッシュ・フロー予算がないのか?」という素朴な疑問は従来からあった。9月に「東芝がキャッシュ・フロー予算制度の採用を決定したこと」に伴い,上場会社の中でキャッシュ・フロー予算制度導入に向けた検討の動きが広がってきている。本稿では「 キャッシュ・フロー予算制度構築 」をテーマとして,以下3回に分けて考察する。なお,本稿の見解に係る部分は,筆者個人の私見である。
第1回【実務トレンド】
損益予算からキャッシュ・フロー予算へ
第2回【理論編】
キャッシュ・フロー予算の理解
第3回【実践編】
キャッシュ・フロー予算制度構築の実務的ポイント
1.東芝が導入決定した「キャッシュ・フロー予算制度」について
日本経済新聞(2015年9月5日)の報道によると,東芝は不適切会計の再発防止の一環として,従前の損益予算による業績評価からキャッシュ・フロー予算による業績評価へ大きくシフトするようだ。
また,2015年9月7日に東芝が適時開示した資料「再発防止策の骨子等」の中で,企業風土改革として「予算制度の見直し」を取り上げている。その骨子は4点である。
1.当期利益至上主義を脱...
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