ASBJ 権利確定条件付き有償新株予約権の処理を検討

ストック・オプション基準を適用するか議論
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企業会計基準委員会(ASBJ,小野行雄委員長)は10月27日,第77回実務対応専門委員会を開催した。今回から,「権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権」(以下,権利確定条件付き有償新株予約権)の会計処理に関する検討を始める。権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理は,複合金融商品適用指針とストック・オプション会計基準のどちらの適用対象となるのか,明確化されていない。今回の審議では,「ストック・オプション会計基準の適用範囲に含めることが適切」との方向で議論が進められた。

一定の業績をクリアすれば有償で新株発行

従業員等の士気を向上させる目的として,従業員および役員に対して,勤務条件および業績条件等の権利確定条件が付された新株予約権を,有償で発行する事例が散見される。

この「権利確定条件付き有償新株予約権」について,既存の会計基準では,企業会計基準適用指針17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」(以下,複合金融商品適用指針),企業会計基準8号「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下,ストック・オプション会計基準)が関連すると考えられ...