本誌では中原広国税庁長官に今年一年の税務行政についての展望を聞いた。

―新年の抱負をお聞かせください。

国税庁の使命は「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現すること」であり，この使命を果たすためには，「納税環境の整備」と「適正かつ公平な税務行政の推進」が重要であります。

前者においては，e-TaxなどICTを活用した利便性の高い申告・納付手段の充実に努めることや質問や相談に親切・丁寧に対応することが重要であると考えます。後者については，適正な申告を行った納税者が不公平感を抱かないように悪質な納税者には厳正な姿勢で臨むことが求められます。

平成28年におきましても，この使命を果たすために様...