厳選!現場からの緊急相談Q&A 第22回 不動産流動化

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 上坂 岳大

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経理部員 :このたび当社では以前から保有している東京オフィスの土地・建物を特別目的会社を利用して流動化することを検討しています。不動産流動化の会計処理においては,どのような点に留意したらよいでしょうか。
会計士 :特別目的会社を利用した不動産流動化は個々の事実を正確に認識し,スキーム全体の構成内容等を踏まえて実質的な判断をしていく必要があります。一般に不動産の取引額は多額となりますので,売却取引として会計処理するか,金融取引として会計処理するかについては慎重な検討が求められるところです。今回は特別目的会社を活用した不動産流動化の会計処理についての基本的な考え方を復習してみましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1特別目的会社を活用した不動産の流動化ついて

特別目的会社を活用した不動産の流動化取引とはどのような取引をいうのでしょうか。

◆Answer◆

―Key Point―

・特別目的会社を活用した不動産の流動化とは,特別目的会社に不動産を譲渡することにより,当該不動産を資金化することをいいます。このとき,不動産の当初...