Q&Aコーナー 気になる論点(150) IASBのアジェンダ協議
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
国際会計基準審議会(IASB)が2015年8月11日に公表した意見募集「2015年アジェンダ協議」に対し,企業会計基準委員会(ASBJ)は,2015年12月25日にコメントレターを提出し,今後の優先順位として開示原則の開発は極めて高いとしているもの,基本財務諸表についてはそうではないとしています。同じ財務諸表に関して相違しているのは,なぜなのでしょうか。 |
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ASBJのコメントレターにおいて,開示原則のプロジェクトは,多くの関係者が懸念している開示の過多という問題に対処し,また,コミュニケーションの有効性を改善するために重要であるとしています。他方,基本財務諸表プロジェクトでは,IASBが何を検討する予定であるか明確ではないため,相対的な重要度と緊急度についてコメントしていません。
<解説>
2015年アジェンダ協議の概要
IFRS財団のデュー・プロセス・ハンドブックク4.3項‐4.5項において,IASBは,3年ごとに作業計画について公開協議を行うこととされています。IASBは,2011年に第1回目のアジェンダ協議を行っており,今回のアジェンダ協議は2回目のものとなります(3項)。
2015年アジ...
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