Q&Aコーナー 気になる論点(154) IASBのリース会計基準(4)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
国際会計基準審議会(IASB)が,2016年1月に公表したIFRS第16号「リース」では,リースの条件変更があった場合に,計上していた資産・負債の認識を中止することとしているのでしょうか。 |
A
IFRS第16号では,借手がリースの範囲を減少させる条件変更を行った場合には,使用権資産とリース負債を減少させ,差額を損益とするため,部分的に認識を中止することになります。しかし,IFRS第9号「金融商品」における金融負債の条件変更と異なり,大幅なリースの条件変更であるかどうかによって全面的に認識を中止するとはしていません。
他方,貸手は,ファイナンスリースの条件変更について,オペレーティングリースに分類される場合を除き,IFRS第9号の要求事項を適用することとしていますので,大幅な条件変更の場合,全面的に認識を中止するものと考えられます。
<解説>
リースの条件変更(1)‐借手の処理
リースの条件変更(lease modification)について,IAS第17号では触れていませんでしたが①,多くのタイプのリースにおいてしばしば生じるため,IFRS第16号では示しています(BC200項)。リースの条件変更...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします