厳選!現場からの緊急相談Q&A 第28回 繰延税金資産の回収可能性(2)

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 石川 慶

( 10頁)
経理部員 :以前(本誌No.3258・36頁),平成27年12月28日に公表された回収可能性適用指針の概要と適用初年度の留意点を教えていただきましたが,繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたって,その他にどのような点に留意すればよいでしょうか。
会計士 :それでは,本日は,企業の分類に基づいて繰延税金資産の計上額を判断する際の留意点を中心に確認していきましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)


注釈
本稿では企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(最終改正平成28年3月28日)を「回収可能性適用指針」,監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(平成11年11月9日)を「監査委員会報告第66号」といいます。

Q1(分類1)に該当する企業における繰延税金資産の計上額

(分類1)に該当する企業において,子会社株式の評価損に係る繰延税金資産を計上しないことは認められるでしょうか。

◆Answer◆

―Key Point―

・繰延税金資産の回収可能性を判断する際には...