Q&Aコーナー 気になる論点(165) IFRS財団の資金調達
‐拠出が8割‐
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
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国際財務報告基準財団(IFRS財団)が2016年5月19日に公表した2015年度の年次報告書(Annual Report)では,営業収益が前年度よりも約3.5%減少しています。これは,なぜでしょうか。 |
A:
IFRS財団における2015年度の営業収益は,前年度に比べ約3.5%(1,008千ポンド)減少していますが,これは拠出の減少によるものです。具体的には,2014年度にあった米国からの一時的な拠出3,000千ドル(1,839千ポンド)が,2015年度には含まれていないことによります。
<解説>
IFRS財団の損益計算書
国際会計基準審議会(IASB)の母体になっているIFRS財団の2015年年次報告書によれば,その要約損益計算書(2015年12月期)は,[図表1]のとおりであり,収益規模は約50億円です。
[図表1](単位:千ポンド)
2014年度 | 2015年度 | |
営業収益 | 28,440 | 27,432 |
営業費用 | (24,519) | (24,527) |
営業利益 | 3,921 | 2,905 |
財務収益 | 656 | 1,057 |
財務費用 | (860) | (1,283) |
税引前利益 | 3,717 | 2,679 |
一概には比較できませんが,米国の財務会計基準審議会(FA...
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