厳選!現場からの緊急相談Q&A 第31回 引当金計上に際しての会計上の留意点

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 河合 厚治

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経理部員 :当社は,ポイント制度の導入,店舗の転貸といった引当金に関連する会計処理を予定しているのですが,我が国では引当金に関する包括的な基準等がなく,企業会計原則注解18に従って引当計上することになると考えております。どのような点に注意したら良いでしょうか。
会計士 :企業会計原則注解18の要件を満たすのであれば,引当金を計上する必要がありますが,制度の内容は多様であり,実務上,悩むことも多いかと思います。一緒に確認していきましょう。
(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

1:当社(店舗)は,販売促進活動の一環として商品の販売時に顧客に対して販売代金の一定割合のポイントを付与する。
2:顧客はポイントを蓄積する。(有効期限がある場合は,有効期限内に使用できなければ失効する。)
3-A:顧客は保有しているポイントを店舗の商品の購入代金に充当する。
3-B:他社とポイント制度で提携している場合には,提携他社のポイント等と交換することがある。

Q1ポイント制度の会計処理について

当社は,小売業を営んでおり,販売促進活動の一環として当社商...