ハーフタイム 二つの幸福論

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ビジネスの原義はbusy(忙しい)にあるから,忙しく働くことで生活が豊かになり,それが幸せになる唯一つの道だと思っているビジネスパーソンが多い。目下の仕事に没頭して暮らすのも幸せの証拠である。しかし連休中などにふと定年後や老後の自分の姿を想いこのままの生活を続けていて良いのか,人の幸せとは何かと物思いにふけるときがある。

世に知られている幸福論にはいろいろあり,古来最も有名なものはフランスの哲学教授アランの『幸福論』だが,文学的・哲学的表現が多く理解に時間がかかる。その点,ラッセルの『幸福論』は,表現がストレートで忙しいビジネスパーソンにはぴったり合う。まず,恐怖・ねたみ・罪の意識・世評に対する...