ミニファイル PHアプローチ

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IASB会議において,IFRSにおけるのれんの減損テストの改善が議論されている。「減損損失の認識遅延」や「のれんの過大計上」(減損損失の計上不足)などの財務諸表利用者の懸念に対応するためで,IASBスタッフからの修正案のひとつに,PHアプローチ(取得前ヘッドルーム・アプローチ)と呼ばれる方法がある。

PHアプローチは,のれんを既存のCGUに配分する場合にのみ適用する。のれんが配分される既存のCGU(工場や店舗などの「資金生成単位」)またはCGUグループについて,企業結合の直前ベース(企業結合が行われていないという"仮定"のもと)で回収可能価額を算定し,簿価を上回る部分を「余裕額」としてのれんの減...