【資料】開示すべき重要な不備 平成28年3月期決算会社の開示事例

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本誌3282号2頁 に関連記事, 同25頁 に資料(前編)を掲載。

※訂正内部統制報告書による事例は除く。

会社名(期末日時点の業種,市場区分,監査人)不備の主な内容(内部統制報告書より一部抜粋)中央魚類(卸売業,東二,和宏事務所)当社の連結子会社株式会社ホウスイ(以下「ホウスイ」という。)の連結子会社(持分比率100%)である株式会社せんにち(以下「せんにち」という。)において,同社の元従業員により,過去3年間にわたって,同社の仕入先からの請求書を偽造するなどの手法により,支払金を着服していた事実が判明いたしました。かかる着服の事実を受けて,せんにちは,同社の顧問税理士事務所及び公認会計士に対し,着服に関する事実関係についての調査を依頼したところ,本調査の過程において,平成25年4月の設立以降3年にわたり,得意先との取引につき,会計処理の誤りと見られるものも含めて,売上が過大に計上されていたなどの報告を平成28年3月上旬に受けました。当社としては上記調査結果をホウスイより受け,当社監査法人と協議を行った結果,不適切な処理に伴う債権債務の修正及び売上高,損益の修正を行いました。本件は,取得後のホウスイ並びにせんにちの全社的な内部統制,業務プロセス及び決算財務プロセスの脆弱性から不適切な会計処理を招いたと認識しております。以上の結果,財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり,開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。MAGねっとホールディングス(その他金融業,JQ,明誠)1.開示すべき重要な不備の内容当社は,平成28年3月期の決算の過程において,過年度の債権の評価等について一部修正すべき事由が発生し,第36期から第40期までの有価証券報告書,四半期報告書及び内部統制報告書を訂正いたしました。また,平成28年3月期の決算においても,債権の評価を含めた決算作業について時間を要し,決算発表を延期することとなりました。これは,全社的な内部統制において,適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な専門知識を有した社内の人材が不足していたこと,また,債権評価に係る決算・財務プロセスにおいて,社内の確認体制が不十分であったことに起因する不備により生じたものと認識しております。2.当事業年度末までに是正できなかった理由当事業年度末までに是正できなかった理由は,決算業務を適切に遂行するべく...