ミニファイル マイナス金利と資産除去債務

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国債の金利がマイナスを記録したことを受け,企業会計基準委員会では29年3月期に向けた対応を検討している。主に退職給付債務の計算における割引率などを中心に議論が行われているところだ( 6頁 )。

ところで,退職給付債務計算と同様に割引率を使用する会計基準には,資産除去債務会計基準もあるが,28年3月期の開示事例を見る限りでは,マイナスの数値を使用して計算している会社は僅かだ。会計基準では,割引前の将来キャッシュ・フローに重要な見積りの変更が生じ,割引前の将来キャッシュ・フローが増加する場合には,新たな負債の発生と同様のものとして,「その時点の割引率」を適用することとされているが,実務上は重要性の観点な...