厳選!現場からの緊急相談Q&A 第40回 自社利用のソフトウェアに係る会計処理

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 大屋敷 知子

( 18頁)
経理部員 :当社では,現在使用している基幹システムの入れ替えを検討しています。基幹システムの入れ替えには多額の投資が必要となりますので,ソフトウェアに係る会計処理について教えてください。
会計士 :それでは,自社利用のソフトウェアに係る会計処理の基本的な取扱いを振り返った上で,資産計上に関する留意点を確認していきましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)


Q1自社利用のソフトウェアに係る会計処理

自社利用のソフトウェアに係る会計処理の基本的な取扱いを教えてください。

◆Answer◆

―Key Point―

自社利用のソフトウェアについては,そのソフトウェアの利用により将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上し,確実であると認められない場合又は確実であるかどうか不明な場合には,費用処理することとされています(実務指針第11項)。

―解説―

ソフトウェアの会計処理に関しては,企業会計審議会より「研究開発費等に係る会計基準」(以下,「会計基準」という。)が公表されています。また,実務上の指針を提供すること...