厳選!現場からの緊急相談Q&A 第42回 リース会計における具体的な留意点

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 佐瀬 剛

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経理部員 :当社は様々な状況でリース取引を利用しますが,実際に会計処理を行う際に悩むことが多いです。
会計士 :今回は,リース取引の具体的な留意点,特殊なリース取引の会計処理について取り上げます。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1リース契約期間が長期にわたるリース取引の取扱い

リース契約期間が長期のリース取引(借手)のうち,1年前の事前通知により解約できるリース取引についてのファイナンス・リース取引の判定について教えてください。

◆Answer◆

―Key Point―

・実質的な賃借期間を踏まえて,ファイナンス・リース取引に該当するか否かの判定を行う必要があります。

―解説―

まず,実質的な賃借期間を踏まえて,ファイナンス・リース取引に該当するか否かの判定を慎重に行う必要があります(「 第14回 不動産に係るリース取引 」Q2(2)参照)。

その結果,オペレーティング・リース取引と判定された場合は,解約不能オペレーティング・リース取引の注記においてその実質的な賃借期間に基づく未経過リース料を記載することになると考えられます(リー...