《トピックスプラス》公共施設等運営権の現状と展望

2022年度までに7兆円規模
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利用料金の徴収を行う公共施設などについて,施設の所有権を公的主体が有したまま,施設の運営権を民間事業者に設定する「公共施設等運営権(コンセッション)制度」。同制度を活用した事業は,空港などを中心に国内に広まりつつある。企業会計基準委員会(ASBJ)は5月2日,運営権取得時の会計処理や更新投資の取扱いなどについて実務対応報告を公表している( No.3309,4頁 )。現在,どのような施設で,どのような運営が行われているのか。コンセッション事業の現状と,今後の展望を調査した。

公共施設等運営権とは?

公共施設等運営権方式(コンセッション方式)は,PFI(Private Finance Initiative)の一つの類型。PFIは,「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」に基づき,公共施設等の建設や維持管理,運営などを,民間の資金やノウハウを活用して行うことを指す。その中で,利用料金の徴収を行う公共施設について,施設の所有権は公共主体が有したまま,施設の運営権を民間事業者に設定する方式をコンセッション方式という。2011年のPFI法一部改正で導入された。

運営権設定に...