組織再編成に関する税制改正 第4回 グループ内の分割型分割に係る関係継続要件の見直し

デロイト トーマツ税理士法人グローバルタックスサービス パートナー 西村 美智子
デロイト トーマツ税理士法人グローバルタックスサービス シニアアソシエイト 山之内 泰弘

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連載第4回目となる今回は,企業グループ内の分割型分割に係る関係継続要件の改正について取り上げたい。

なお,本稿は執筆担当者の私見であり執筆担当者の所属する法人の公式見解ではないことを念のため申し添える。

<今後の連載予定と目次>

第1回 スピンオフ税制の創設

第2回 スクイーズアウト税制の創設

第3回  非適格株式交換及び連結納税開始・加入時の時価評価対象資産の範囲の見直し

第4回  グループ内の分割型分割に係る関係継続要件の見直し

  1.はじめに

  2.平成29年度税制改正の概要

  3.詳解

  4.平成29年度税制改正に係る実務影響

第5回 その他の改正

以下の説明で使用している法令の略語は,次の通りである。
法法 法人税法(昭40・3・31法律第34号)
法令 法人税法施行令(昭40・3・31政令第97号)

1.はじめに

法人税法上,適格分割型分割により資産又は負債を移転した場合,当該資産又は負債は税務上の簿価により移転したものとして取り扱われ,移転資産又は負債の含み損益の課税を繰り延べることができる。

企業グループ内の適格分割の適格要件のうち(完全)支配関係継続要件は,分割により移転する事業(資産負債)に対する支配継続の指...