ハーフタイム 遊びとビジネス

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子供は"良く学べ,良く遊べ!"と言われて育つ。勉強ばかりしていると鈍い子供になるから,遊びは勉強とともに大切な努めである。週末のビジネスマンは仕事から解放され,戸外で遊ぶことによって明日への英気を養う。機械に"あそび"が必要なように,仕事人間にとっても遊びは不可欠である。定年退職後の高齢者には,毎日が休日であり遊びが人生そのものになる人も多い。遊びは生産活動ではないが,人間の一生を通じて生活パターンにしっかり組み込まれている。

このような遊びの本質を,真剣に取り上げて"人類文化の根源だ"と診断した人がいる。一人は,『中世の秋』や『ホモ・ルーデンス』を著したオランダの歴史家ヨハン・ホイジンガ(1872~1945)。ホモ・サピエンス(種族としての人間)について,文化史的視点からホモ・ルーデンス(遊ぶ人)という定義を編み出した。あらゆる人間の文化は,遊びの形から成立し,最初から遊びの要素を含むと見た。遊びは,それまでは児戯であり,ホントの文化をまねて楽しむ行為,日常生活から一時的に逃避するものと理解されていたが,そうではない。自由な創意に基づくルールに従って秩序正しく進行するもの,本来的には物...