在外子会社の連結 第6回 資本連結(一部売却時の仕訳)

株式会社ラウレア 代表取締役 公認会計士 飯塚 幸子

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はじめに

皆さんこんにちは! 公認会計士の飯塚幸子です。「在外子会社の連結」第6回の講義を始めます。

前回は在外子会社株式の追加取得時に必要となる連結仕訳を確認しました。今回は,在外子会社株式を売却した際に必要となる連結仕訳を確認していきたいと思います。

それではさっそく始めていきましょう。

1.「支配継続」か「支配喪失」か

子会社株式を全部または一部売却することにより,子会社に対する親会社の持分が減少し,その分,親会社以外の株主持分が増加します。このとき,当該子会社に対する支配力を喪失するかしない(支配継続)かによって,連結上の取り扱いが異なります。

子会社の株式を一部売却してもなお,親会社の支配が「継続」する場合には,当該会社は連結子会社であることには変わりません。よって,その内訳としての親会社持分が減少し,非支配株主持分を増加する処理を行います(持分変動の論点)。

一方,子会社株式を売却することによって,親会社が当該子会社に対する支配を「喪失」した場合には,当該会社は子会社ではなくなるため連結から外す処理が必要となります(連結除外の論点)。

それぞれの処理を順番に確認してきましょう。

2.連結財務...