在外子会社の連結 第7回 内部取引の消去,未実現利益の消去,留保利益の税効果

株式会社ラウレア 代表取締役 公認会計士 飯塚 幸子

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はじめに

皆さんこんにちは! 公認会計士の飯塚幸子です。「在外子会社の連結」第7回の講義を始めます。

前回は在外子会社株式の売却時に必要となる連結仕訳を確認しました。今回は,以下の論点について確認していきたいと思います。

・内部取引の消去
・未実現利益の消去
・留保利益の税効果

それではさっそく始めていきましょう。

1.内部取引の消去

在外子会社の損益計算書において,親会社との取引がある場合には,当該金額は親会社の取引日レートで換算します。親会社の取引日レートと他の損益の換算レート(期中平均レートまたは決算日レート)の差は「為替差損益」として処理します。

それでは,簡単な数値例で見ておきましょう。

■例題1■在外子会社の当期の損益計算書(現地通貨)は<資料1>のとおりです。また,当期の在外子会社の売上原価のうち,親会社からの仕入によるものは200(現地通貨)であり,親会社の子会社に対する売上高は21,200円(200(現地通貨))でした。・前期末為替レート @100円・当期末為替レート @110円・期中平均レート  @105円※為替相場は1現地通貨あたりの円換算額上記条件に基づき,在外子会社の円換算後の損...