いまさらきけない会計基準等と実務のポイント 第17回 リース取引の分類と会計処理

新日本有限責任監査法人 公認会計士 矢部 光識

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1.はじめに

第17回は,「リース取引の分類と会計処理」を取り上げます。

リース取引で利用可能な資産は,トラックやフォークリフトなどの輸送機器,デスクや椅子などの事務用機器,PCや電話などの情報通信機器,土地やビルなどの不動産など多岐にわたっており,設備投資時の資金効率の向上,各種事務手続の軽減など,様々な理由でリース取引を利用するケースが見られます。リース取引に関する会計処理については,「リース取引に関する会計基準」及び「リース取引に関する会計基準の適用指針」がありますが,契約しているリース取引が「ファイナンス・リース取引」なのか,「オペレーティング・リース取引」なのかで会計処理が大きく異なるため,リース取引の分類の判定が重要になります。

そこで,今回はリース取引の分類ごとの会計処理,リース取引の分類方法を中心に,借手にとってのリース取引に関する会計処理について,いまさらきけないポイントを解説していきます(本稿の意見にわたる部分は,筆者の私見であることをお断りしておきます)。

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