IFRS財団アジア・オセアニアオフィス~これまでの活動実績と今後への期待

IFRS財団アジア・オセアニアオフィス ディレクター 竹村 光広

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新年明けましておめでとうございます。平成30年の年頭に当たり皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年10月に,IFRS財団アジア・オセアニアオフィスの開設5周年を迎えました。私の初代アジア・オセアニアオフィスディレクターとしての5年の任期も無事満了することが出来ました。現在は,6ヶ月だけ任期を延長して,今年4月1日に就任する予定の新ディレクターへの引継ぎ準備をしています。この機会を借りまして,読者の皆様に感謝の気持ちを述べさせていただくとともに,アジア・オセアニアオフィスのこれまでの活動を振り返り,今後のオフィスの活動に関する私個人の期待を述べさせていただくことで,新ディレクターへエールを送りたいと思います。

日本におけるIFRS基準適用会社の拡大促進について

昨年7月に東京証券取引所が発表した「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析によりますと,IFRS基準を適用済み,適用決定及び適用予定の会社は合計で171社,東証時価総額合計の30%となりました。これらの会社に加えて,IFRS基準の適用に関する検討を実施している会社が214社,東証時価総額合計の22%を占めるとのこ...