会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案の概要について

法務省 民事局参事官 竹林俊憲
法務省 民事局付 福永 宏
法務省 民事局付 邉英基
法務省 民事局付 青野雅朗
法務省 民事局付 坂本佳隆

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I はじめに

法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会(部会長・神田秀樹学習院大学法科大学院教授。以下「部会」という。)は,法制審議会第178回会議(平成29年2月9日開催)における法務大臣からの諮問(第104号)を受けて設置され,株主総会に関する手続の合理化や,役員に適切なインセンティブを付与するための規律の整備,社債の管理の在り方の見直し,社外取締役を置くことの義務付けなど,企業統治等に関する規律の見直しの要否等について,調査審議を進めてきた。

部会においては,合計10回の会議を経て,平成30年2月14日,「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」(以下「試案」という。)が取りまとめられた。これを受け,事務当局である法務省民事局参事官室は,同月28日付けで試案及びその補足説明を公表し,同年4月13日までの期間,パブリックコメントを実施している。パブリックコメントの手続の詳細については,電子政府の総合窓口(e-Gov)のホームページ( http://www.e-gov.go.jp/index.html )を参照されたい。

本稿は,試案で採り上げている事項のうち読者の関心が特に高いと...