ミニファイル 社債管理補助者制度

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会社は社債を発行する場合,社債管理者を設置する義務がある( 会社法第702条 )。ただし,1社債1億円以上などの場合は設置不要だ。現行実務上でも,社債管理者の権限が広範,設置のコストが高いといった理由から,社債管理者を定めていないことが多いという。

しかし,債務不履行が発生した際に社債権者に損失や混乱を招く事例が見られ,最低限の社債管理を求める声が上がった。そこで,会社法制の中間試案(本年2月公表)では,社債管理者を設置しない場合でも,社債管理者より限定された範囲内で必要な社債管理を第三者に委託する「社債管理補助者制度」創設が提案された。

社債管理者との大きな違いは権限等にある。社債管理補助者は,①社...