Q&Aコーナー 気になる論点(216) IASBの概念フレームワークの改正(5)

‐測定基礎の選択‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

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国際会計基準審議会(IASB)が,2018年3月29日に改正した「財務報告に関する概念フレームワーク」(2018年概念フレームワーク)において,測定基礎は,事業活動(business activity)の性質を考慮することによって選択することとしているのでしょうか。

A:

2018年概念フレームワークでは,測定基礎として,歴史的原価と現在価額を示し,その選択の際に考慮すべき要因として,財務情報の質的特性やコストの制約を示しています。このうち,基本的な質的特性の1つであるレリバンスの考慮において,資産・負債が将来キャッシュフロー(CF)にどのように貢献するか,それは,ある部分,事業活動の性質によると...