トピックスプラス ここが変わる! 収益認識の会計・税務 第3回 受取り対価と資産の価額

( 06頁)

収益認識基準(新基準)・適用指針とともに企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した30の設例のうち,[設例2]は「治療費(全額)の支払いが難しいと思われる患者に対する医療サービスのようなもの」に例えられる。そのため,ASBJの審議では「かなり特殊」あるいは「極めて稀」な事例であり,「こうした取引はないのでは」と見られている。一方,新基準への対応を図った法人税法は概ね会計と足並みを揃える形で整備されたものの,差異の一つとしてこの設例を見過ごさず,新設条文において「貸倒れの可能性があってもその影響を織り込むことはできない」(法22条の2・5項)と規定した。ここに会計と税法における「取引価格」の捉え方...