IFRS16号「リース」適用の留意事項 第1回 新リース会計基準の概要
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士・米国公認会計士 小山 智弘
Ⅰ はじめに
IFRSの新リース会計基準であるIFRS16号「リース」(以下,IFRS16号)は,2016年1月に公表されています。IFRSにより財務諸表を作成する会社は,当該基準書を2019年1月1日以降開始する事業年度から適用することになります。2018年度から海外を含めて,このIFRS16号を早期適用する会社が出始めていますが,多くの会社におかれましては,適用のための準備をされていると思われます。本稿から始まる5回シリーズで,このIFRS16号について分かり易く解説します。
<今後の連載予定> 第1回 新リース会計基準の概要 第2回 リースとは何か(リースの定義,リース構成要素の区分) 第3回 不動産の借手に関する留意事項 第4回 個別論点 第5回 表示と開示,財務指標への影響 |
Ⅱ 新リース基準における考え方
IFRS16号は,2009年3月にリースのディスカッション・ペーパーが公表され,検討が本格的に開始してから公表までに7年が費やされており,その間2度も公開草案が公表されるなど紆余曲折の議論を経たうえで開発されました。
(1)リスク経済価値と支配
新リース基準では,そのベースとな...
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