ミニファイル 見積りの不確実性の発生要因

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会計上の数値が将来起こる事象の結果によって変わったり,既に起こった事象に関するもののその情報を適時に入手できなかったりする場合,財務諸表の作成にあたっては見積りが必要となる。そしてその場合には何らかの仮定を置くことになるが,その仮定によっては見積った数値に幅が生じる可能性がある。このような性質を「見積りの不確実性」と呼ぶ。

IAS第1号「財務諸表の表示」では,この見積りの不確実性の発生要因のうち,翌事業年度中に資産・負債の簿価に重要性のある修正を生じる重要なリスクがあるものについて注記を求めている(第125項)。日本基準ではこの点の開示は規定されていなかったが,2016年3月に日本公認会計士協会...